記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/11 記事改定日: 2019/6/7
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
下痢をしたら体重が減ったという経験がある方もいるかもしれません。その場合、どうして体重が減ったのかはご存知でしょうか。
今回は、下痢によって体重が減る理由や危険性についてご紹介します。
下痢とは水分量が多く含まれている便が体外に排出される状態であり、消化しきれなかった食べ物や、身体に不要な毒素を外に出すために起こります。
下痢で痩せるのは、本来身体に吸収される栄養も一緒に排出されてしまうためです。また、体内の水分も外に出ていくため、結果として一時的な体重減少へとつながります。
このように体内で栄養となるはずだったものや水分が失われることで体重が減ってしまうため、体脂肪を効率よく減らせるわけではありません。むしろ下痢が続くことで栄養不足に陥ってしまい、代謝機能も低下してしまうことで、痩せにくい体になります。
長時間お風呂にいたり、サウナに行って大量の汗をかくと一時的に体重が減りますが、これも水分が失われたことによる体重減少です。また下痢によって体内から水分が失われると、脱水症状を引き起こす場合があります。
下痢やサウナのあとに体重が減っても健康的に痩せているわけではありません。むしろ水分不足で危険な状態に陥ってしまうこともあるので、すぐに水分補給をしましょう。
下痢が長時間続けば、脱水症状になることもあります。
脱水症状は、必要な栄養が身体に行きわたらなくなり、老廃物を排出する力も弱まってしまう危険な状態です。
脱水症状は軽症、中等症、重症の3つにわけられ、口の渇きや脱力感、めまいや嘔吐などの症状がみられるようになります。重症になると血圧低下や意識障害、最悪の場合は死亡するケースもあります。
口の中や皮膚が渇いていると感じたら、脱水症状のサインです。日頃から水分補給をこまめに行い、脱水症状にならないようにしましょう。また、自分で口から水分補給をするのが難しい場合や、食事が摂れない場合には早めに病院を受診してください。
下痢が続くと、体内の水分や電解質が失われるばかりでなく、摂取した栄養やエネルギーが十分に吸収されずに体重が落ちることがあります。
このような不健康なやせ方をしないためにも、下痢が続くときはおかゆや野菜スープなど消化に良いものを少量ずつ摂り、食欲がない時でも飴などを口にするようにしましょう。また、失われた水分を補うために電解質が含まれた経口補水液やスポードリンクを一日最低でも1.5~2ℓは摂るようにしましょう。
ただ、十分な水分も食事も摂れないような場合には脱水に陥って点滴治療が必要になることもあります。
下痢による体重減少は一時的なものです。身体の代謝機能も弱まったり、下痢が長く続くことで身体への負担も大きくなります。普段から水分補給を心掛け、痩せたい場合には食事と運動を基本とした身体づくりが好ましいでしょう。