記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/23 記事改定日: 2018/7/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
人工甘味料は、通常の糖よりもカロリーが低いので使っている人もいると思いますが、どんな種類があるのでしょうか。
この記事では、人工甘味料の種類と人工甘味料の安全性について説明しています。人工甘味料を摂ったことがある人も無い人も必見の内容です。参考にしてください。
人工甘味料は、食べ物や飲み物を甘くしたり、甘みを強めたりするために使われる化学物質もしくは植物由来の物質です。ほとんどの人工甘味料は、天然の砂糖より何倍も甘いので、少量で砂糖と同じくらいの甘みをつけることができます。
また、人工甘味料はカロリーがほとんどなく、虫歯の要因になることもないといわれています。
主な人工甘味料として、次のようなものがあります。
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンの2つのアミノ酸の組み合わせたもので、砂糖の約200倍の甘みをつけることができます。
アセスルファムKは、砂糖より200倍甘い低カロリーの砂糖代用品です。ほかの人工甘味料と組み合わせて使われることが多いです。
ステビアは、カロリーを含まない植物由来の砂糖代用品です。 「ステビア」という用語は、 ステビア・レバウディアナという南米の植物からきています。植物の葉から精製された高純度の抽出物は、「ステビオールグリコシド」と呼ばれ、砂糖の200〜400倍の甘さがあります。
スクラロースは、砂糖の約600倍甘いものです。スクラロースは、食品だけでなく、医薬品、栄養補助食品、およびビタミン剤にも使われています。
糖アルコールは、特定の果実に天然に存在している炭水化物で、人工的に作り出すこともできますので、カロリーを抑えながら甘味を与え、食品の風味を高めます。
糖アルコールは、あめやアイスクリームといった加工食品や、歯磨き粉、うがい薬などにも含まれている人工甘味料で、別の人工甘味料と組み合わせて使用することがあります。
難消化性デキストリンは、トウモロコシのでんぷんを利用して作られた甘味料であり、特定保健食品に指定されているものです。
「難消化性」とは、「消化されづらい」という意味ですが、トウモロコシを原料としているため、食物繊維を豊富に含み、甘味料としての役割だけでなく、食物繊維を補う働きも持つのです。
また、難消化性デキストリンは、小腸内での糖類の吸収を妨げる効果もあり、小腸内食後の急激な血糖値上昇を抑える効果があるといわれています。
人工甘味料には様々な種類があり、天然成分を加工して生成されたタイプの甘味料は安全性が高く、リスクはほとんどないとされています。しかし、天然の食品には含まれない人工的に生成された甘味料は、糖代謝異常や味覚障害、下痢などのリスクがあるものもあり、たとえ低カロリーであっても摂りすぎには注意が必要です。
人工甘味料はカロリーも少なく血糖値を上げにくいと考えられていますが、近年は血糖値を上げる可能性があることが報告されています。そのため、安易に頼り切ってしまうことはおすすめできません。
あくまでも補助的なものとして使うことを心がけ、まんべんなく栄養を摂れる食事管理を努めてください。