記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/18 記事改定日: 2019/2/8
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
認知症は「レクリエーション」の実践で予防の効果があるといわれています。この記事では、レクリエーションをどのように実践すればいいかについて解説します。
老人ホームのような多くの介護施設では、様々なレクリエーションが行われています。人は老化して身体機能が低下していきますが、レクリエーションで体を動かして筋力を高めることでこの進行を遅らせることができるからです。
「高齢だから」と運動に消極的になりがちですが、動かないでいると筋肉や骨はどんどん細くなっていきます。レクリエーションで適度に体を動かしていくことが、この悪循環から脱して健康的な生活が送りやすくなる手段といえるでしょう。
また、手先や頭を使うレクリエーションは脳の活性化につながりますし、レクリエーションを通じた他者とのコミュニケーションは生きがいを生み出すきっかけとなり、認知症患者の生活の質の向上に役立ちます。
このように、レクリエーションの効果には主に身体機能の維持や向上、脳の活性化やコミュニケーションの促進だけでなく、認知症の予防にも効果があるといえます。
手先や頭を使うレクリエーションは脳を刺激し、認知症の症状が進みを遅らせる効果が期待できます。手先や頭を使うレクリエーションとして、以下のようなものが挙げられます。
折り紙は日本に古くからあるため、なじみのある高齢者も多くいます。また、細かく指先を動かすのでレクリエーションとして取り組みやすいです。施設などでは季節に合わせた作品を作り、室内装飾にしているところもあります。
塗り絵は手先を動かすだけでなく、形を認識したり脳を使って配色を考えたりすることができます。絵を描くのが難しい人でも、簡単に取り組めます。
単純なルールですが、前の人が言った言葉を覚え、その最後の文字から始まる言葉を思い出す脳のトレーニングができるレクリエーションです。「食べ物限定」「生き物限定」など、ルールを持たせると飽きずに楽しめます。
トランプは他者とのコミュニケーションがとれて、ルールも様々なものがあり、レクリエーションとして頻繁に取り入れられています。なかでも神経衰弱はルールが簡単で、記憶力が必要とされるので特におすすめです。
体を使ったレクリエーションとして、以下のようなものがあります。
風船は軽くてケガの心配がなく、動きもゆっくりしているのでうちわでテニスをしたり、大きめの箱やかごをゴールに見立ててバスケットボールをしたり、キャッチボールをしたりして楽しめます。
じゃんけんで勝った人は喜びを表現するようにバンザイをしたり、負けた人は泣きまねをしてみたり、手先の運動に加えて腕の動きをつけると楽しくおこなえます。後出しじゃんけんでわざと負けるようにすると、頭も使えるのでおすすめです。
ラジオ体操は老若男女問わず誰でもできる体操で、音楽に合わせながらわずか数分で行える全身運動です。座ったままできるものもありますので、その人に合わせて楽しめるのも魅力です。
歌を歌うことは心肺機能を高めると同時に、ストレス発散もできます。簡単なふりを付ければ、軽く体を動かすことも可能です。
認知症の発症や進行を予防するために、様々なレクリエーションが効果的であることが分かっています。レクリレーションを取り入れている介護施設やデイサービスも多く、高齢者は楽しみながら認知症を予防することが可能です。
しかし、高齢者は加齢に伴う身体的・精神的変化が生じやすいため、レクリレーションを行う場合には注意すべきことがあります。レクリレーションのサポートをする人は、以下の点に気をつけましょう。
ご紹介したように、レクリエーションにはさまざまな種類がありますが、個人によって遊び方の好みは異なります。たとえば、トランプやじゃんけんなどの対戦形式のレクリエーションを嫌がる人も中にはいると思います。その人にあったレクリエーションを行い、楽しく認知症予防につなげていくことが大切です。