記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
蕁麻疹は特定の食べ物を食べたときに出ることが多いですが、その他の原因でも出る可能性があることをご存知でしょうか。
この記事では、蕁麻疹の原因について、特に食べ物が関係している蕁麻疹について説明しています。
食べ物のアレルギーが原因で、蕁麻疹を発症する場合があることは最近ではよく知られてきました。
特に平成27年4月1日に「食品表示法」が施行されてからは、食品パッケージに「乳」「卵」「小麦」「えび」「かに」「そば」「落花生」など特定原材料の表示が義務付けられていることもあり、認知度が高まっていることが予測できます。
しかし、これらのような特定原材料ではない、普段から摂取している肉類、野菜類などを口にしたときに突然蕁麻疹が出てしまうケースがあることはあまり知られていないかもしれません。
これは、正確にはアレルギーによるものではなく、しばしば食品に含まれるヒスタミン様物質が血管にはたらきかけたり、ヒスタミンを遊離させやすい成分が含まれたりしていることで引き起こされるといわれています。
つまり、昨日同じ食品を摂取していたとしても、使われている材料により、あるいはその日の体調などにより症状が出たり出なかったりすることがあるのです。
特定の食品によるアレルギー性の蕁麻疹の場合は、摂取したものの検証や皮膚・血液検査などで原因を特定することができます。しかし、アレルギーではない蕁麻疹の場合は本人も心あたりがない場合が多く、原因の特定が難しくなってきます。
アレルギーによる蕁麻疹は、食品や細菌、日光などの外的要因に、過敏な反応を示すことによって起こります。アナフィラキシーの症状のひとつとして現れることもあり、何か特定のものに対して、体が過剰な反応を示す体質をもっている人が、その特定のものに触れてしまったときに症状が現れます。
最近では特に、このようなアレルギー体質をもつ人が増えているうえ、特定の食品を食べた後、すぐに運動をすることで症状を起こす「運動誘発性蕁麻疹」という症例も知られてきました。
このような外的刺激が要因となった場合のアレルギーは、数分~数時間のうちに症状が出て、多くのものは数時間のうちに治まりますが、ときには呼吸器や粘膜、循環器などの急速に症状があらわれ意識を失うなどの「ショック症状」が起こることもあるので注意が必要です。
蕁麻疹が出ると、患部が赤く腫れて強いかゆみを伴います。そのようなときは、衣類などでこすれたり、しめつけたりしないよう注意し、患部を冷やすとよいでしょう。もちろん、寒さや冷たさに反応した蕁麻疹の場合は、冷却は避けてください。入浴も避けた方が無難です。
治療するためには、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服することになります。また、皮膚のかゆみがどうしてもひどい場合は、ステロイド外用剤で炎症や細菌の繁殖を抑える必要が出てくることもあるでしょう。いずれにしても、病院での適切な治療が必要です。すぐに病院を受診し、医師の指示通りに薬を使用してください。
また、アレルギー性蕁麻疹を繰り返さないためには、まず原因となっている食べ物や刺激を特定する必要があります。決して自己判断せず、必ず病院を受診しましょう。
重篤な症状が出る危険性もあるので、原因となる物質への接触は常に避けるようにしてください。さらに、疲労やストレス、生活習慣などが発症に関わってくることもあるので、疲れやストレスを溜めない規則正しい生活を心がけてください。
特定の食品へのアレルギー反応だけでなく、普段から摂取している肉類、野菜類などを口にしたときに突然蕁麻疹が出てしまうことがあり、このような蕁麻疹は食品に含まれるヒスタミン様物質やヒスタミンにかかわる成分、そして消化器官のコンディションなどによって引き起こされると考えられています。たいていは時間が経てばおさまりますが、不安が残る場合は医療機関を受診しましょう。また、アナフィラキシーのような深刻な状態を避けるためにも、原因になっている物質の特定が大切です。たかが蕁麻疹と軽く考えず、早めに病院で検査するようにしてください。