記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
布団などの湿った場所に生息することの多い「ダニ」ですが、ダニに刺されるとどんな症状が出るのでしょうか?特にかゆみは代表的な症状として知られていますが、ダニ刺されで顔にかゆみが出ることもあるのでしょうか?
家の中に人を刺すダニは、大まかに「ツメダニ」と「イエダニ」に分けられます。
ツメダニはマンションなどの高気密住宅に生息することの多いダニで、布団やカーペット、畳、家具の裏側などの湿気が溜まりやすい場所で繁殖する傾向にあります。一方のイエダニはネズミに寄生するダニで、主に古い一戸建ての家で刺される人が多いです。ツメダニよりもかなり大きいため、目視も可能です。
それぞれのダニに刺されたときの症状の特徴は、以下の通りです。
これまでに紹介したツメダニやイエダニの場合は、お腹から股や脇腹から二の腕など、皮膚の柔らかい部位が刺されやすい傾向にあります。そのため、顔が刺されてかゆみが出るというのは珍しいケースです。
しかし、顔には「顔ダニ」というものが存在します。顔ダニは別名ニキビダニや毛包虫(もうほうちゅう)といわれ、大きさは0.2mmほどと非常に小さく、ほとんどの人の顔にはおよそ200万匹、一つの毛穴に5匹程度の顔ダニが住んでいるといわれています。
この顔ダニはツメダニやイエダニとは全く異なり皮膚に常在しているダニで、人を刺して悪さをするわけではありません。普段は悪さをせず、むしろ皮脂量のバランスを保つ役割を担っています。ただ、さまざまな要因で皮脂が過剰に分泌されると、顔ダニが増殖して炎症反応を起こし、かゆみやニキビを引き起こしたりする場合があります。
ツメダニやイエダニなどに刺されると、刺された箇所でかゆみや腫れ、赤い発疹、水ぶくれなどの皮膚トラブルを引き起こすようになります。また、基本的にはお腹などの胴体や腕、股が刺されるのが一般的です。広範囲が腫れたりかゆかったりする場合は、ダニ以外が原因の可能性があるので、一度皮膚科を受診して診断を仰ぎましょう。