補聴器の選び方が知りたい! どんな種類のものがおすすめ?

2018/6/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

補聴器にはさまざまな種類があり、価格帯も幅広いため、どんな補聴器を選んだらいいかわからず困ってしまう方も多いです。今回はそんな方々に向けて、補聴器の選び方のポイントを詳しくお伝えしていきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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補聴器の選び方:形状で選ぶ

補聴器の形には、主に「耳あな型」「耳かけ型」「ポケット型」の3種類があります。それぞれ特徴があり、また形によって異なるメリット・デメリットがあります。難聴の程度や補聴器を使うシーン、目的に応じて一番自分に合った形を選んでいきましょう。

耳あな型

耳の穴に収まる小型タイプで、耳穴にすっぽり入る「CIC型」、耳の入り口まで入る「ITC型(カナル型)」、耳の窪みに装着する「ITE型(フルサイズ)」の3種類があります。既成のものもあるが、使用者の聴力や耳の形に合わせて作るオーダーメイドのものが主流です。

メリット

  • 目立ちにくい
  • 音が自然に聞こえ、音の方向が確認しやすい
  • メガネをつけても邪魔にならない

デメリット

  • 小さいために紛失しやすい
  • 小さいために操作がしにくい
  • サイズが小さいものは小型の電池しか使えず、使用可能時間が短くなりやすい

補聴器装着が目立つのが嫌な人や、メガネをかけている人にはおすすめのタイプです。ただ、耳の形によっては使いづらく、耳垢の多い人や重度難聴の人には向いていません

また、耳あなタイプは耳の中にうまく入れて使う必要があり、電池交換の際は(2週間に1回程度行います)より細かな指の動きが求められます。指をうまく動かせない方は、大きい耳かけ型などを選ぶことをおすすめします。

耳かけ型

耳の後ろに本体を引っ掛け、チューブでつながった耳栓を耳の中に入れて音を聞くタイプです。

メリット

  • 種類が豊富で、軽度難聴から重度難聴まであらゆる難聴の度合いに対応できる
  • 耳あな型より機能面が充実している
  • 装着がしやすい
  • 耳あな型と比べて価格が安い
  • 電池寿命が長い

デメリット

  • 汗に弱い
  • メガネやマスクと併用しにくい
  • 耳あな型よりは大きいため目立つ

高度な機能がついた補聴器が欲しい人や、高度難聴の人にはおすすめのタイプです。また、耳あな型よりは目立つものの、メーカによっては肌や髪の色に合わせた補聴器や、カラフルなものの取り扱いもあります。ただし、多量の汗にふれると故障率が高くなるため、汗っかきな人や、メガネやマスクを常用する人には向いていません

ポケット型

本体をポケットに入れたり、首からストラップで下げたりして、本体からコードをつながれたイヤホンで音を聞くタイプの補聴器です。

メリット

  • 価格が安い
  • 電池代も安い(乾電池使用)
  • 操作が比較的簡単
  • イヤホンとマイクが離れているため、ハウリング(ピーピー音)が起こりにくい
  • 高出力なので大きな音で聞ける

デメリット

  • 大きいので目立つ
  • コードが邪魔になる
  • 本体をポケットに入れると、衣擦れの音など雑音が入りやすい

操作が簡単で安価なのが魅力です。ただ、持ち運びの過程で邪魔になることも多いので、日中よく出歩く人にはおすすめできません。

補聴器の選び方:難聴の程度で選ぶ

難聴の程度によって、適した補聴器の種類は異なります。
基本的に、25〜90dBまでの軽度難聴〜高度難聴の方であれば、どのタイプの補聴器を使っても問題ありません。ただし、90dB以上の重度難聴の方は、耳あな型ではあまり音を聞き取れないため、耳かけ型やポケット型が適しています

なお、補聴器によって性能は異なり、適した難聴の程度も異なるので、あくまで目安としてください。

補聴器の選び方:用途で選ぶ

補聴器は種類や機種によってさまざまな機能が搭載されており、多機能であればあるほど値段は高くなります。ただ、基本的には日常生活内で困っている部分をカバーしてくれる機能があるものを選べばいいので、そこまで必要性を感じない機能のものをわざわざ選ぶ必要はありません。

購入の際に重要なのは、「どんなときに不便を感じているか」「どんなときに補聴器を使いたいのか」ということです。こうした目的をクリアにしておくと、販売員にも用途がしっかり伝わり、補聴器選びがスムーズになります。

おわりに:補聴器の種類によってメリットやデメリット、向き不向きはさまざま。自分に合ったものを選ぼう

「耳あな型は小型で目立たない反面、操作がしにくく紛失しやすい」「耳かけ型は機能性に優れるが、汗で故障しやすい」など、補聴器の種類によってさまざまなメリット・デメリットが存在します。高い買い物となるので、ご自身の難聴の程度や用途、好みに合わせて、専門医や販売員とよく相談の上、慎重に購入しましょう。

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