記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/21 記事改定日: 2020/9/10
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
貧血は、なんらかの理由で赤血球に含まれるヘモグロビン量が不足し、疲れやすい、だるい、めまいを感じるなどの症状が出る病気です。今回は、自分が貧血かどうかをセルフチェックする方法を体の部位ごとに紹介していきます。
健康な人の爪はつやがあり、血色が良く丸みを帯びたきれいなピンク色をしていますが、貧血を起こしている人の爪には特徴的な変形・変色の症状が現れてくることがあります。
貧血、または鉄欠乏症の人の爪に現れる特徴的な変形症状のひとつが「スプーン爪」です。
本来ならアーチ状になっているはずの爪の中央部分がへこみ、縁部分が反り返って爪がスプーン型に変形してしまう症状です。貧血のためにスプーン爪を発症している人は爪・指先まで十分に栄養が行き届いていないため、指先の血色が悪くなったり、爪が弱く割れやすいという特徴もあります。
ただし、このような爪の変化だけで貧血かどうかを見分けることはできません。あくまでも受診の目安と考え、上記のような爪の変化があるときは、早めに病院を受診し検査してもらいましょう。
貧血になると舌の色が変化することがあります。健康な状態の舌はうっすらとしたピンク色をしていますが、舌の色が以下のような状態が長く続くときは、貧血を起こしている可能性があるので早めに病院へ行きましょう。
きちんとお手入れしていて、舌苔が付着しているわけではないのに舌が真っ白く、血の気がなく見えるというときは、貧血などの何らかの不調がある可能性があります。
ただし、舌苔があるかどうかを一般の人が見極めるのは難しいので、自己判断せず心配なときは医師に相談しましょう
舌が紫色になっているときには、なんらかの原因で血流が滞っている可能性があります。貧血や冷えをはじめ、高血圧や高脂血症、動脈硬化などが原因の血行不良が考えられますので、早めに病院を受診しましょう。特に長期間続いている場合は注意が必要です。
爪や舌と並び、貧血によって変化が起こる体の部位は「下まぶたの裏」です。
貧血になると、血の赤色のもとである「ヘモグロビン」が不足するため、皮膚や爪、舌の色が青っぽく、または白っぽく変色することがあります。
この貧血による色の変化が、毛細血管が多い下まぶたの裏ではとてもわかりやすいといわれています。
下まぶたを指でつまんでめくり、まぶたの裏をチェックしましょう。下まぶたの裏がピンク色なら健康的な状態ですが、白く見えるときは貧血などの理由で血行が悪くなっている可能性があります。
また、下まぶたの表側や目の下に濃いクマが現れている場合も、貧血などが原因による血行不良が関係しているかもしれません。
疲れがたまっているだけだったり、一時的な不調によって、このような変化が起こることもあります。気にしすぎるのも良くありませんが、急にこのような変化が起こり、いつまでも治らなかったり、昔からこのような状態が続いていて、めまいやふらつきなどの貧血症状があるときは、念のため病院で検査してもらいましょう。
貧血は病院や健康診断で血液検査をして初めて発症の有無が分かります。また、貧血の症状はさまざまなものがあるため、日頃から不快な症状を自覚していても貧血の症状とは思わずに病院受診が遅れるケースも少なくありません。
貧血が疑われる症状や貧血になりやすい生活習慣には以下のようなものがあります。当てはめる項目が多い人は、なるべく早めに病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
貧血は年齢・性別問わずよく見られる症状の一つです。そのため、軽く考えられがちですが、貧血になると身体により多くの酸素を送り出そうと心拍数が上昇するため、心臓に過度な負担がかかることになります。適切な治療をせずに放置すると心臓の機能が低下する「心不全」や心臓を構成する筋肉に異常な電気的興奮が生じる「不整脈」などを発症することがあります。
また、そのほかにも貧血の中でも鉄分が不足することによる「鉄欠乏性貧血」は放置すると味覚障害や嚥下障害(ものの飲み込みが悪くなる)といった症状が現れるようになることもあります。
気になる症状があるときは放置せずにできるだけ早めに病院で検査や治療を受けるようにしましょう。
貧血の症状は、めまいや疲れやすさなど以外に肌の血色にも現れることがあります。今回ご紹介した爪・舌・下まぶたの裏は、いずれも貧血によるヘモグロビン不足が血色として現れやすいパーツです。ただし、チェックの結果はあくまでも目安です。貧血症状がある場合は病院で検査してもらいましょう。