記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
めまいや立ち眩みなど、さまざまな症状を引き起こす貧血ですが、心臓の鼓動が強く、速く感じたりする動悸の症状が現れることはあるのでしょうか。
今回は、貧血による動悸の症状について、その原因や対処法、動悸から考えられる他の病気の可能性などについて、解説していきます。
貧血のなかでも代表的で、原因の70~80%を占める「鉄欠乏性貧血」の症状として、めまいや立ち眩みと並んで、動悸の症状が出ることがあります。
鉄欠乏性貧血とは、血流にのって全身に酸素を運び、血の赤みの元ともなるヘモグロビンの生成に必要な鉄分が、偏食などによって不足し、結果的に貧血が起こる状態です。
血中のヘモグロビンが不足すると身体が酸欠状態となり、心臓がこれを解消しようと活発に活動することで、鼓動が強く速く打つようになり、動悸を引き起こすことがあります。
また貧血による動悸が起こるときに、一緒に息切れの症状が出やすいのも、同様に体内の酸素不足を解消しようと酸素を取り入れようとする作用が働くためです。
なお、動悸や息切れを引き起こす鉄欠乏性貧血は、血中のヘモグロビン数値が男性は13.0g/dl、女性は12.0 g/dl以下になると発症するとされています。
鉄欠乏性貧血で起こる動悸の症状は、安静にしているときに感じやすく、活動していると感じにくいという特徴があります。
一方、貧血による特徴的な動悸ではなく、脈が飛ぶ、急にスピードが変わる、脈がゆっくりになって気を失うなどの症状がある場合は、貧血以外の病気が潜んでいるかもしれません。
以下では、貧血以外によって引き起こされている可能性のある動悸の特徴と、考えられる原因についてご紹介します。
上記はいずれも重大な心疾患につながる可能性がありますので、1つでも気になる症状を感じるなら、すぐに病院で診てもらうことをおすすめします。
動悸がしたら、まずは座ったり横になるなどして安静で楽な姿勢を取り、動悸がおさまってくるのを待ちましょう。安静にして症状が改善するのであれは、原因が致死的な病気である可能性は低く、貧血や体調不良、一時的な期外収縮の可能性が高いと考えられます。
ただし、前述したように同期に深刻な病気が潜んでいる可能性も否定できません。あまりにも動悸の頻度が多い、または動悸と共に胸痛や激しい息切れ、呼吸困難が現れるようであれば、すぐに病院で診てもらってください。
動悸は鉄欠乏性貧血の代表的な症状の1つです。しかし貧血による動悸には特徴があり、この特徴に当てはまらない場合は、心疾患など別の病気が原因である可能性があります。原因が何であれ、あまりにも動悸の症状が長く続いている場合は、すぐに病院で診てもらってください。