記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
風邪の症状がなかなか治らないときには、どのような原因が考えられるのでしょうか?病気の可能性はあるのでしょうか?風邪の症状が治らないときに考えられる原因について、解説していきます。
風邪の原因の80~90%はウイルスとされていますが、風邪ウイルスは体内で増殖する力が弱いため、2週間以上生存することはできません。そのため、2週間を超えて咳などの症状が続く場合や、1週目でも眠るのが困難なほどの激しい咳が出る場合は、風邪以外の病気の可能性が高くなります。
そのような症状が続く場合は、咳喘息、感染後咳嗽、肺がん・結核・間質性肺炎・心不全などの病気の可能性もあるので、呼吸器専門医で診察を受けましょう。病院では、聴診器での肺の雑音の確認、肺機能検査、血液検査、レントゲン、CT検査などを行い、病気の有無を調べます。
鼻水や鼻詰まりの症状が長期間続く場合は、アレルギー性鼻炎や急性副鼻腔炎の可能性があります。
急性副鼻腔炎では、少し濁った粘り気のある鼻汁が多く分泌され、喉に流れるような感覚(後鼻漏)があります。また、鼻をかんだ後も残留感があり、鼻詰まりに伴って頭痛が起こることもあります。
気温が低下する10月以降に、アレルギー症状が出る人は少なくありません。くしゃみや鼻水が頻繁に出たり、鼻詰まりにより頭がぼーっとするなどの症状がある場合は、アレルギー性鼻炎の可能性があります。
咳の症状が長期間続く場合は、咳喘息の可能性があります。
咳喘息とは、気管支喘息の1歩手前の状態で、治療せずに放置しておくと気管支喘息に進行する可能性があります。気管支喘息は一度なると治りにくく、重症化して発作が止まらなくなるとひどいときには呼吸困難で亡くなってしまうこともあります。
そのような事態に陥らないようにするためにも、咳喘息の段階で治療することが大切です。
咳喘息は、主に下記の刺激による気道粘膜の炎症により発症します。
また、風邪が発端となり発症することもあるので注意が必要です。
咳喘息でいる期間が長いほど気管支や肺は固くなってしまうため、肺の機能が低下して気管支喘息に進行する確率が高くなります。早急に治療できれば、肺機能の改善や気管支喘息への移行を防ぐことができるといわれているので、咳の症状が長引く場合は一度呼吸器専門医で診てもらいましょう。
風邪の症状がなかなか治らない場合や、咳が長引く場合は、病院で診察を受けるときに「風邪です」とは申告せずに、今ある症状について詳しく医師に伝えるようしましょう。
また、以下の項目に1つでも該当する場合は、風邪以外の病気の可能性があるので、呼吸器専門医を受診しましょう。
風邪ウイルスは体内で増殖する力が弱いため、2週間以上生存することはできません。そのため、2週間を超えて咳などの症状が続く場合や、眠るのが困難なほどの激しい咳が出る場合は、風邪以外の病気の可能性が高くなります。
また、鼻水や鼻詰まりの症状が長期間続く場合はアレルギー性鼻炎や急性副鼻腔炎、咳の症状が長期間続く場合は咳喘息の可能性があるので、風邪の症状がなかなか治らない場合や、咳が長引く場合は、呼吸器専門医を受診しましょう。