風邪薬が生理に影響することってある?鎮痛剤も一緒に飲んでもいい?

2018/6/27

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

一般的には30日前後の周期でやってくる女性の「生理(月経)」ですが、そのときの心身やホルモンの状態により、タイミングが大きく変わることもありますよね。
今回は、生理の遅れと風邪薬の関係について、風邪薬の服用で生理が遅れることがあるのかどうか、風邪薬と鎮痛剤の飲み合わせとあわせてご紹介していきます。

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風邪薬で生理が遅れるって本当?

一部の薬に「生理を遅らせる恐れがある成分」が含まれていることは事実ですが、これらの成分は、必ずしも風邪薬に含まれているものではありません。

生理を遅らせる恐れがある薬の成分の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 定型抗精神薬に含まれる「フェノチアジン」「ブチノフェロン」「チオキサンチン」
  • 高血圧治療剤に含まれる「メチルドパ」
  • 抗潰瘍剤に含まれる「スルピリド」
  • 制吐剤(吐き気止め)に含まれる「メトクロプラミド」
  • 抗アレルギー剤に含まれる「オキサトミド」「トラニラスト」

このため、「風邪薬を飲むと副作用で生理が遅れることがある」という説に科学的根拠はなく、医師の間では風邪薬の服用で生理が遅れることはないと考えられています。

生理痛がひどいとき、風邪薬と鎮痛剤を一緒に飲んでもいい?

市販の風邪薬と生理痛を抑える鎮痛剤には、どちらにもアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛成分が含まれています。一緒に摂取すると血中の解熱鎮痛剤の成分が高くなりすぎる場合があり、別々に飲んでいれば起こらないはずの副作用が現れやすくなってしまいます

また、生理中はホルモンバランスの乱れにより、体調も崩れやすくなります。普段は一緒に飲んでも体調を崩さないという人でも、生理中には身体が2種類の解熱鎮痛成分に耐え切れず、副作用が出やすくなることも少なくありません。

このため、副作用のリスクと身体への負担を少しでも小さくするためにも、風邪薬と鎮痛剤を一緒に飲むことは極力避けるべきといえるでしょう。

ただし、痛みがひどくどうしても風邪薬と鎮痛剤の両方を服用したい場合は、血中の薬効成分が濃くなりすぎないよう、時間を空けて多めの水で服用するのがおすすめです。2種類の薬の服用で空けるべき時間は薬に含まれる成分によっても異なりますが、風邪薬を飲んでから4~6時間を目安に、間隔をあけてから鎮痛剤を飲むと良いでしょう。

おわりに:風邪薬が生理の遅れに影響することはないが、鎮痛剤との併用は極力避けるべき

一般的に、他の薬に含まれる成分が影響することはあっても、風邪薬の服用が生理周期の遅れに影響することはないとされます。このため、生理の前後や生理中に風邪薬を飲んでも大丈夫ですが、鎮痛剤との併用には注意が必要です。痛みがひどく、風邪薬と鎮痛剤を併用したいときは、併用による副作用のリスクを少しでも低くするために、風邪薬と鎮痛剤を飲むタイミングを4~6時間空けるなどして配慮すべきと覚えておきましょう。

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