椎間板ヘルニアは筋トレで改善できる?NGな筋トレもご紹介!

2018/6/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

日常生活に支障をきたすほどの強い腰痛やしびれを引き起こすこともある「椎間板ヘルニア」ですが、症状の改善にはむしろ筋トレが効果的ということをご存知ですか?
今回は筋トレによる椎間板ヘルニアの改善効果について、その効果のほどや、具体的におすすめの筋トレ方法などをまとめてご紹介していきます。

筋トレしたら椎間板ヘルニアが悪化するのでは?

椎間板ヘルニアを発症してから比較的日が浅く、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みを感じる「急性期」には、筋トレを行うのは非常に危険です。急性期の筋トレはさらに腰の痛みを悪化させ、深刻な状態を招く危険性がありますので、ある程度痛みがひくまでは、安静第一で過ごさなくてはなりません。

しかし、ある程度痛みが引いてきたら、損傷している椎間板の働きをサポートするためにも、腰周辺の筋肉を鍛えた方が良いとされています。少しずつ筋トレを始めて適度な筋肉をつけることが、椎間板ヘルニアの症状悪化と再発の予防につながると理解しておきましょう。

椎間板ヘルニアの改善におすすめの筋トレ方法は?

ここからは、ヘルニアの改善に役立つおすすめの筋トレ方法をご紹介します。

「腹筋」「背筋」「殿筋(おしりの筋肉)」「腸腰筋」の筋トレ方法をそれぞれ紹介していますので、参考にしてくださいね。

ヘルニアの改善に効果的な「腹筋」の筋トレ方法

  1. 仰向けに寝て膝を立てた状態で、ゆっくりと息を吐きながらおなかをへこませていき、息を吐ききっておなかに力を入れた状態で2秒キープします。
  2. その後全身の力を抜き、自然に酸素が入ってくるのにあわせて息を吸いましょう。
  3. 腹筋に手を当てて、しっかり腹筋を使っていることを意識して1日に10回程度行うと効果的です。

《慣れてきたら、上級編にもチャレンジ!》

  1. 仰向けに寝た状態で、両足の膝から下を椅子などに乗せます。
  2. 手を胸の前で組んだら、息を吐きながらゆっくり頭を上げて戻し、床についたらゆっくりと息を吸い込みます。頭を持ち上げるときには、上体すべてを起こす必要はありません。
  3. この一連の動きを、最低でも1日に10回程度繰り返し行いましょう。

ヘルニアの改善に効果的な「背筋」の筋トレ方法

  1. 両手・両足を上下にまっすぐ伸ばした状態で、うつぶせに寝ます。
  2. 次に、背中の筋肉に力が入るのを意識しながら、右手と右足を同時に浮かせて数秒間キープして下ろします。反対の手足も同様に、左右交互に5回ずつくらい行いましょう。
  3. 痛みなく行えたら、次はうつ伏せの姿勢のままゆっくりと両手・両足を持ち上げて数秒キープ、ゆっくりと下ろす動きも行いましょう。これも5回くらい行うと効果的です。

《慣れてきたら、上級編にもチャレンジ!》

  1. 四つん這いの姿勢になり、まずは両手を片方ずつ肩の位置までまっすぐ伸ばし、数秒キープして姿勢を戻します。
  2. その後、手と同様に両足を左右交互に腰の高さまで上げてまっすぐ伸ばし、数秒キープしてもとの姿勢に戻します。
  3. 次に、右手と左足、左手と右足をそれぞれ同時に上げて数秒キープし、ゆっくりと戻す動きも左右交互に行います。
  4. 上記の運動を左右5回ずつ以上行えば、背面の筋肉全体の強化に役立ちます。

ヘルニアの改善に効果的な「殿筋」の筋トレ方法

  1. 両膝を立てた状態で、仰向けに寝ます。
  2. 背中と太ももが一直線になる高さまで、ゆっくりとおしりを持ち上げていき数秒キープ、ゆっくりと姿勢を戻して身体を床につけます。
  3. 1日に10回程度を目安に行ってください。

《慣れてきたら、上級編にもチャレンジ!》

  1. 両膝を立てた状態で仰向けになり、右ひざを伸ばして左ひざと同じ高さまで上げます。
  2. 右足の上げて伸ばした状態をキープしたまま、おしりを同じ高さまで上げて数秒キープ、おしりと右足をゆっくりと下ろし、床につけます。
  3. この動きを左右交互に5回ずつ繰り返しましょう。筋トレを行う時に、殿筋と背筋に力が入っていること、そして足の筋肉が伸びていることを意識すると効果的です。

ヘルニアの改善に効果的な「腸腰筋」の筋トレ方法

  1. 仰向けに寝て、片足を軽く曲げて胸の前までゆっくりと引き寄せて伸ばし、数秒キープしてから足をゆっくりと戻していきます。
  2. もう片方も同様にして、左右交互に5回ずつ行いましょう。

《慣れてきたら、上級編にもチャレンジ!》

  1. 椅子に背筋を伸ばして座り、付け根から持ち上げるようイメージしながら片方の足を膝を曲げたまま10cm程度持ち上げます(なお、足を上げてくるときに、手で膝を持って補助しても構いません)。
  2. そのまま数秒キープします。その後ゆっくりと足を下ろします。
  3. この運動も左右交互に5回ずつ以上行うと良いでしょう。

椎間板ヘルニアを悪化させる筋トレは?

両足を伸ばして寝た状態で行う一般的な腹筋・背筋のトレーニングは、瞬間的に椎間板を強く圧迫し、負担をかけるためNGです。また、上記で紹介したトレーニングでも、フォームや力の入れ方など間違った方法で行った場合は症状が悪化する可能性があります。

トレーニングをしていて痛みやしびれ、違和感があったときは、すぐに中止して病院を受診しましょう。できれば、トレーニングを始める前に医師に相談することをおすすめします。

おわりに:椎間板ヘルニアの改善と再発予防に、筋トレは効果的な場合がある

痛みが強い急性期に無理してトレーニングをするのは危険ですが、ある程度痛みが引いた後の筋トレは、正しく行う限りは有効といわれています。腰の動きに関係する腹筋・背筋・殿筋・腸腰筋を中心に鍛えることで、椎間板の負担が減り、ヘルニア症状の改善につながると考えられているからです。この記事でご紹介した方法を参考に、医師や専門家のアドバイスを受けながら、無理のないペースで続けてください。

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