記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
慢性的な鼻づまりだと、口呼吸になってしまったり、鼻粘膜が腫れて鼻の中が狭くなったりして、いびきが引き起こされることがあります。今回は、そんな鼻づまりからくるいびきの治療法として、実施されることのある手術についてご紹介します。
鼻中隔矯正術とは、鼻中隔弯曲症に対して行われる手術です。鼻中隔弯曲症とは鼻の穴を左右に分ける鼻中隔という壁が曲がってしまう状態のことです。どんな人でも多少の弯曲は見られるのですが、弯曲が大きい人の場合は鼻づまりが酷くなり、睡眠時無呼吸を合併したりしていびきが引き起こされます。この弯曲している部分の鼻中隔の軟骨を切除し、まっすぐな部分だけにするという手術が鼻中隔矯正術になります。
なお、鼻中隔弯曲症の人は肥厚性鼻炎(鼻の中の粘膜が腫れ、鼻の空気の通り道が狭くなっている状態)を併発していることが多いのですが、その場合は飛び出している骨を削る粘膜下下甲介骨切除術や、肥厚した粘膜を削る鼻甲介粘膜切除術も同時に実施することがあります。
内視鏡を使って鼻粘膜の神経(くしゃみを起こす神経と、鼻水を出す神経)を切断することで、鼻づまりの原因となる粘膜の腫れを改善する治療法です。アレルギー性鼻炎からくる鼻づまりの場合は、この手術が適応されることがあります。
局所表面麻酔をした後、炭酸ガスレーザーなどを使って鼻粘膜を浅く焼く治療法で、アレルギー性鼻炎や、副鼻腔炎による肥厚性鼻炎の患者などに適応されます。焼かれた粘膜は抗原が侵入しにくい粘膜に生まれ変わり、またアレルギー反応に関連する粘膜下の細胞も減るため、アレルギー症状が軽減されると考えられています。
局所表面麻酔をした後、鼻の下甲介にある肉が盛り上がった部分に電極針を刺して温め、盛り上がった肉を縮めることで、鼻腔を広げる治療法です。レーザーによる下甲介粘膜焼灼術などで治療効果が得られなかった患者に適用されることがあります。
一言で鼻づまりといっても、鼻中隔弯曲症からくる鼻づまりか、あるいはアレルギー性鼻炎からくる鼻づまりかなどによって、実施される手術や治療法は異なります。専門医と各手術のメリット・デメリットについて相談しながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。