記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/7/4
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
歯と歯の間など、歯ブラシでは届かない部分のケアができるデンタルフロスは、いまや家庭でも定番のデンタルケアとなりつつあります。ただ、デンタルフロスは初めのうちはうまく使いこなせない人も非常に多いです。そこで今回は、デンタルフロスの使い方やコツをわかりやすく解説していきます。
デンタルフロスの本来の使用目的は、歯間の汚れをとることではありません。歯間の汚れだけでなく、歯の表面についた歯垢もとる目的で使うものです。きちんと使えていないと十分な歯垢除去効果も得られないので、正しい使い方を知っておきましょう。
ロール(糸巻き)タイプのデンタルフロスは、歯に差し込む前に基本の持ち方を身につけておく必要があります。まずは以下の手順で準備をしてください。
この基本の持ち方ができたら、歯の場所によってさらに持ち方を変えます。
そして、以下の手順で挿入・清掃していきます。
文章だけではなかなかわかりづらいかとも思うので、併せて動画もご紹介します。初めてデンタルフロスを使うという方は、ぜひ参考にしてください。
持ち手付きのホルダータイプは、ロールタイプとは違って持ち方や使い方にそこまでのテクニックもいらないので、使いやすいデンタルフロスになります。
ホルダータイプの使い方は、歯間に挿入した後、前後に動かしながら歯の表面をこするようにして歯垢を落とす、というものです。フロスは歯の根元まで下ろし、隣接した歯の表面もキレイに磨くようにしましょう。
「うまくデンタルフロスが使えない」という方に向けて、ロールタイプ、ホルダータイプ別に使い方のコツや注意点をお伝えします。
デンタルフロスのうち、特にロールタイプはテクニックが必要なので、慣れないうちは使いづらく感じるでしょう。上の前歯をフロスするときは、左右どちらかの中指の腹に糸を当てながら、ピンと張った状態をキープするとやりやすくなります。奥歯や下の前歯のときは、両手の中指の腹に糸を当てながらフロスするといいでしょう。
フロスをただ抜き差しするだけでは清掃は不十分です。差し込んだら歯の表面をこするように動かし、差し込んだら引き抜くのを繰り返して根元の部分までケアをしてください。
使用済みのフロスには雑菌が付着しています。一箇所のケアが終わって次の歯に移行する際には、またキレイな部分を取り出して差し込むようにしてください。
ホルダータイプのデンタルフロスは糸が太いものが多いため、引き抜く際に引っかかることがよくあります。ただ、このとき無理に引っ張ってしまうと歯や歯肉が傷ついてしまいます。差し込むときも引き抜くときも、前後左右にゆっくり動かすようにしてください。
特にロールタイプのデンタルフロスは、持ち方や挿入の仕方、磨き方などにコツが必要です。ただ、正しい使い方をマスターすれば歯垢の除去率もグンとアップします!この記事を参考に、鏡を見ながらぜひチャレンジしてみてくださいね。