主に性行為を通じて感染・発症することのある性病(現在は「性感染症:STD」と呼ぶのが一般的です)。もし性病になると、どんな症状が出るようになるのでしょうか?女性の場合、特徴となる症状についてお伝えしていきます。
性病の症状、女性はここをチェック!
性病(性感染症:STD)にはさまざまな種類があり、現れる症状も異なるため、「この症状が出たら性病」とは一概にはいえません。ただ、女性の場合は「おりものの量や匂い、色の変化」「外陰部のかゆみやできもの」「性交痛や排尿痛」が性病のサインとなることが多いです。
症状別!どの性病の可能性がある?
女性特有の症状から、発症の可能性がある性病を解説します。
- おりものが多い、おりものが黄緑色、外陰部のかゆみや腫れ、排尿痛
- 淋病を発症している可能性があります。淋病は淋菌という原因菌による性病の一種で、クラミジアに次いで感染者数の多い性病としても知られています。淋菌感染者と性行為をすることで、30%と高い確率で感染します。
ただし、感染者の80%は初期段階では無症状で、上記のような症状が出るケースは少ないです。しかし、淋病が進行すると卵管炎や腹膜炎に発展する恐れがあります。
- おりものが少し増えた、外陰部が少しかゆい、軽度の排尿痛や性交痛
- クラミジアの可能性があります。クラミジアは世界的に最も感染者数の多い性病とされますが、上記のような症状が軽度なため、自覚できずにいるケースも非常に多いです。放置すると卵管炎や腹膜炎を引き起こし、不妊症や子宮外妊娠の原因となる恐れがあります。
- 性器や肛門の小さなしこり、足の付け根のリンパ節の腫れ
- 梅毒の初期症状の可能性があります。梅毒は近年感染者が増加傾向にある性病で、特に20代前半の若い女性の感染者が増えています。
しこりは、梅毒感染者との性的接触があった部位に発生し、大量に菌が生息しています。上記症状は2週間程度で自然に消えていきますが、この間も原因菌は全身に広がり、次の段階へと移行していきます。
- 性器の小さな水疱とかゆみ、陰部の痛み、強い排尿痛、足の付け根のリンパ節の腫れ、高熱
- 性器ヘルペスの可能性があります。性器ヘルペスは皮膚や粘膜にできた小さな傷から感染するもので、特に腟内の粘膜に傷ができやすい女性の発症リスクが高い性病です。初感染時は特に痛みが強く高熱が出て、歩行困難になるケースも少なくありません。
- 性器や肛門周辺のイボ
- 尖圭コンジローマの可能性があります。原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスへの感染で、多くの場合自己免疫でHPVは排除されますが、免疫力が低下していると発症することがあります。基本的にイボ自体に痛みやかゆみはありませんが、大きさ2mm程度のイボが徐々に増え、カリフラワー状になることもあります。
- おりものからの悪臭、形状や色の変化、排尿痛、性交痛
- 腟トリコモナス症の可能性があります。トリコモナスは、トリコモナス原虫の感染によって発症する性病で、性行為だけでなくトイレの便座やタオルを通じて感染することもあります。おりものからの魚の腐敗臭のような悪臭が特徴ですが、感染者の半数が無症状です。
- カッテージチーズ状のおりもの、外陰部の腫れやかゆみ
- 性器カンジダ症の可能性があります。カンジダは健康な人の体内にも存在するカビの一種で、体調の変化で腟内環境のバランスが崩れたときに、性器カンジダ症を発症することがあります。
性器カンジダ症の主な特徴は、カッテージチーズやヨーグルト状の白いカスのようなおりものです。またおりものの量も増え、臭いも強くなっていきます。
おわりに:おりものの変化や性器の違和感が主なサイン。ただし、自覚症状がないケースも多い
性病にはさまざまな種類があり、それぞれで症状も異なりますが、女性が性病になった場合はおりものの臭いや変色、性器のかゆみやできものなどが特徴となることが多いです。ただし、淋病やクラミジアなど、性病に感染しても自覚症状がほとんど見られないケースも存在します。そのため、重篤化を防ぐ意味でも定期的な性病検査が重要となります。
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