性病は自然治癒する? クラミジアやカンジダなど、主な性病について解説!

2018/7/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

おりものが変色して悪臭を発したり、性器付近がかゆくて仕方なくなったりなど、さまざまな不快症状を引き起こす「性病」(現在では「性感染症:STI、STD」と呼ぶのが一般的です)。性病は、放置していても自然治癒することはあるのでしょうか?クラミジアやカンジダ、コンジローマなど、代表的な性病の場合について解説します。

性病(性感染症)は自然治癒する?:尖圭コンジローマの場合

尖圭コンジローマとは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって発症する性病(性感染症)の一種です。男性も女性も、発症すると性器や肛門付近に小さく先端の尖ったイボが複数発生し、周辺のイボと一体化して徐々に大きくなっていきます。

実は、この尖圭コンジローマは発症しても20〜30%の人が自然治癒するといわれています。しかし、多くの場合は上記の症状が徐々に進行し、重症化する恐れもあるので、発見したら早めの治療が必要です。尖圭コンジローマの治療では、電気メスや炭酸ガスレーザーなどによる焼却、液体窒素による切除手術、あるいは軟膏の塗布などが行われます。

なお、手術や投薬によってイボは除去できても、体内に残ったHPVを完全に取り除く方法はないため、3ヶ月以内におよそ25%の人に尖圭コンジローマの再発が見られます。

性病は自然治癒する?:クラミジアの場合

クラミジアとは、クラミジア・トラコマティスという病原菌が性器や喉などに感染したことで発症する性病の一種です。発症すると尿道のかゆみや軽い排尿痛、おりものの増加(喉に感染した場合は喉の痛みや腫れ)などがみられることがありますが、男女とも多くの人は自覚症状がありません。しかし、放置していると男性の場合は精巣上体炎や前立腺炎、女性の場合は卵管炎や不妊症の原因となる可能性があります。

クラミジアは、基本的に自然治癒することはありません。ただし、クラミジアを発症している人が風邪をひき、抗生物質を服用した場合にたまたまクラミジアの病原菌が退治され、治るケースはあります。しかし、クラミジア用の治療薬が処方されたわけではないので、一時的に症状が改善したに過ぎず、病原菌が体内に残存しているために再発することも多いです。

このため、クラミジアの疑いがある場合はきちんと性病科などを受診し、専用の抗生物質などを処方してもらうようにしましょう。

性病は自然治癒する?:カンジダの場合

カンジダとは、カンジダ属の真菌(カビの一種)によって引き起こされる性病の一種です。発症すると、女性はカッテージチーズ状の白いカスのようなおりものや性器のかゆみ、男性は亀頭のかゆみや白いカス、水疱などが起こるようになります。

カンジダの原因であるカンジダ菌は、腟内や腸管など体内にもともと保有していることも多い菌のため、性行為感染だけでなく、体調を崩したことがきっかけで発症する可能性もあります。つまり常在菌でもあるので、何をもって「自然治癒」とするかは難しいです。ただ、軽度のカンジダの場合は自浄作用によって自然治癒するケースもあるといわれています。

なお、カンジダの治療は抗生物質の腟錠や軟膏の使用、女性の場合は腟洗浄によって行うのが一般的です。

性病は自然治癒する?:性器ヘルペスの場合

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスの1型あるいは2型の感染によって起こる性病の一種です。発症すると男女ともに性器周辺のかゆみや、小さな赤いブツブツが発生するようになります。

性器ヘルペスの症状はどちらかというと女性の方が重いですが、治療をしなくても4週間程度で自然治癒することがあります。ただし、抗ウイルス剤を投与した方が症状が軽減され、治りも早くなるので、専門の医療機関で治療を進めることをおすすめします。

おわりに:性病の自然治癒は期待せず、病院での治療で早期回復を

性器ヘルペスや尖圭コンジローマなど、一部の性病は自然治癒するケースもありますが、基本的にはどんな性病も放置していると悪化したり、不妊などの原因となる恐れがあります。性病が疑わしい症状がみられたら、自然治癒は期待せず、早めに性病科などを受診してください。

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