記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
エボラ出血熱の症状は、インフルエンザの初期症状に似ているといわれています。エボラ出血熱の感染例は日本では確認されていませんが、今後発生する可能性もあります。そこで今回は、エボラ出血熱の症状や日本での対応などをご紹介します。
エボラ出血熱もインフルエンザも、初期症状では急な発熱や筋肉痛、喉の痛みなどが現れるため、混同しやすいといわれています。ただしエボラ出血熱の場合は下痢や嘔吐、胃痛や原因不明の出血などがみられるのに対し、インフルエンザの場合には鼻水やくしゃみ、空咳などがみられる場合が多いことで知られています。エボラ出血熱の流行地に行くなど、感染した可能性がある場合にこのような症状がみられたときは、心配であればまずは保健所に連絡をするようにしましょう。
潜伏期間は2~21日で、その後に症状がみられるようになります。また潜伏期間は、注射器を介して感染した場合には短くなり、直接接触した場合の感染では長くなることで知られています。エボラ出血熱の主な症状には、急な発熱、筋肉痛、頭痛や喉の痛みなどがあり、その後は下痢や嘔吐、肝機能や腎機能の異常、さらに悪化した場合には出血する場合もあります。また最悪の場合は死に至る恐れもあり、集団発生の場合には致死率が90%になるともいわれています。
通常、海外で流行が確認されている場合には日本の空港で検疫が行われるといわれています。そのため、エボラ出血熱の流行地であるスーダンやコンゴなどに過去1ヶ月以内に滞在し、感染した疑いがあると思われる場合は、万一のことを考慮して帰国後すぐに症状などを空港で申し出ましょう。
また帰宅後に症状がみられる場合には病院へ行くのではなく、最寄りの保健所に連絡をして指示を仰ぎましょう。これは、指定の医療機関でなければ適切な治療がなされないほか、他の患者さんや医療関係者に感染するリスクがあるためです。
エボラ出血熱に感染した疑いがあると病院などで判断された場合、国立感染症研究所などで速やかに検査を行い、感染有無の確認が行われます。もし感染しているとわかれば、患者さんは指定の病院に搬送され、感染対策が十分になされた病室において公費で治療が行われることになります。
エボラ出血熱は致死率の高い病気として知られています。流行地に行くなど、感染の可能性があって症状がみられる場合には、すぐに空港や保健所へ申告しましょう。