記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
エレベーターなどの閉じ込められた空間や狭い場所で、過剰な恐怖を感じる閉所恐怖症。この閉所恐怖症を克服するには、どうすればいいのでしょうか。原因と併せてご紹介していきます。
閉所恐怖症とは、エレベーターや電車などの閉じ込められていると感じるような状況に対し、過剰な恐怖を感じる恐怖症(限局性恐怖症)の一種です。
どんな人でも、極度に狭い空間に閉じ込められると多少の恐怖や不安は感じるものですが、閉所恐怖症の人は日常のあらゆる閉鎖空間で恐怖を感じるようになります。映画館や飛行機、MRI、カプセルホテルなどもその一例です。また人によっては閉鎖空間ではなく、人が密集している空間や居酒屋の奥の席、歯医者の処置台、ヘルメットの装着などでも恐怖を感じることがあります。
閉所恐怖症の可能性があるのは、下記の両方に該当する人です。
基本的に、閉所に恐怖を感じるだけでは閉所恐怖症とはみなされません。閉所が怖すぎるあまりに電車やバスでの通勤ができない、映画館に行けない、MRI検査ができないなど、閉所を避けるあまりに実生活や仕事に支障が出ている人が閉所恐怖症に該当します。
閉所恐怖症は、はっきりした原因があって発症する人とそうでない人に分けられます。まず明らかな原因としては、閉所に対するトラウマが挙げられます。エレベーターに閉じ込められた経験や、スキューバダイビング中に死にそうになった経験などがこれに該当します。
一方で原因不明の人の場合は、そもそもの性格や遺伝的な要素が関連している可能性があります。具体的には、神経質な人や心配性な人は閉所恐怖症を比較的発症しやすいといわれています。
なお、「遺伝的な要素」というのは閉所恐怖症自体が遺伝するという意味ではありません。遺伝的に不安を感じやすい素因があるために、ちょっとしたきっかけで発症する可能性があるということです。
閉所恐怖症を克服するには、専門医のもとで以下の治療を組み合わせて行う必要があります。
「閉所恐怖症のせいでMRI検査ができない」という方は、オープン型MRIの設備がある医療機関を受診されてもいいかもしれません。オープン型MRIは従来のトンネル型MRIとは異なり、筒状ではなく開口部の大きいタイプのMRIです。両側が開いており、視界も開けているため、閉所恐怖症の方でも比較的安心して検査を受けられます。
閉所への恐怖感が強すぎて、日常生活に支障が出てしまっている場合は、専門外来での治療がすすめられます。健康な人でも閉所で多少の不安を感じることはあるため、恐怖心を完全になくすことはできませんが、認知行動療法などを実践すれば正常な範囲の恐怖心に留めることは可能です。まずは専門医を受診するところから始めましょう。