記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「梅毒」は知名度の高い性病(性感染症)ですが、実際に発症したらどんな症状が出るのか、ご存知ではない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、「しこり」など梅毒の初期症状として特徴的なものをご紹介していきます。
梅毒とは、「梅毒トレポネーマ」という病原体に感染して起こる性病の一種です。この病原体は感染者の病変部や精液、腟分泌液、血液などに存在し、主に性行為を通じて相手に感染します。
梅毒に感染すると、感染から「3週間後」「3ヶ月~3年後」「3~10年後」「10年後」という4期を経て、特徴的な症状を呈するようになります。今回はこのうち「早期梅毒」といわれる1期、2期の症状をご紹介します。
これらの症状は、特に治療をしなくても2~3週間ほどで自然に消えていきます。
これらの症状は、梅毒感染後3年後頃まで、数ヶ月おきに現れたり消えたりを繰り返します。
第1期梅毒に見られるしこりは、基本的には痛みを伴いません。しかし中には、痛みを感じる人もいます。
梅毒の治療では、ペニシリン系アモキシシリン(サワシリン)の抗生物質を投与するのが一般的です(ペニシリンの服用にリスクのある妊婦さんなどは、別の種類の抗生物質が投与されることがあります)。
服薬期間は梅毒の進行度によって異なり、第1期の場合は2~4週間、第2期の場合は4~8週間を目安に服薬することになります。この服薬を終え、皮膚症状などが消失し再発もなく、血清検査の基準値をクリアした場合は晴れて治癒となります。
感染箇所のしこりや潰瘍、太ももの付け根の腫れなど、梅毒にはいくつかの特徴的な症状があります。感染源となる性行為から3週間ほど経つと初期症状が現れるので、これらの症状を見逃さないようにしましょう。
また、梅毒を発症すると痛みのないしこりが現れるのが一般的ですが、中には痛みのあるしこりが出たり、しこりができずにいきなり潰瘍が発生したりする場合もあります。何にしても性行為後に気になる異変が現れたら、性病科などの専門外来を受診するようにしてください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。