一酸化炭素中毒で後遺症が残る場合とは?どんな治療を受ければいい?

2018/8/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

一酸化炭素中毒といえば、多くの方が「危険な状態」というイメージを持つかと思います。それは本当のことで、重度の中毒症状が起きると命に関わったり、後遺症が現れたりする可能性もあります。今回は一酸化炭素中毒による後遺症とその治療法を中心に解説していきます。

一酸化炭素中毒とは?

一酸化炭素中毒とは名前の通り、「一酸化炭素(CO)による中毒症状」のことです。一酸化炭素には赤血球と結合しやすい特徴があり、酸素運搬を阻害する働きがあります。そのため、一酸化炭素中毒が起こると、重症度に応じて以下のような症状が見られます。

軽度の場合
軽度の頭痛、吐き気、眠気、倦怠感など
中等度の場合
激しい頭痛、判断力低下、錯乱、失神など
重度の場合
昏睡、失禁、けいれん、呼吸停止など

特に一酸化炭素中毒で気をつけたいことは、酸欠状態に陥ることで眠気に見舞われてそのまま眠ってしまうことです。その結果、一酸化炭素を吸い続けてしまい、重度の中毒症状を起こしたり、命を落としたりする危険性があります。

一酸化炭素中毒で後遺症が残るのはどんなとき?

軽度の一酸化炭素中毒であれば、新鮮な空気を吸ったり、酸素吸入や高圧酸素療法などの治療を受けたりすることで回復が期待できます。ただし、以下のような場合は、脳神経などに大きなダメージを残してしまい、後遺症を引き起こしてしまう恐れがあります。

重度の一酸化炭素中毒を引き起こしたとき

重度の一酸化炭素中毒の場合は、治療から数週間~数カ月後に突然、後遺症が見つかる可能性もあります。そのため、治療後も長期的に注意することが大切です。なお、一般的には急性期の昏睡が重く、その期間が長いほど、発症までの期間が短いといいます。

慢性的に一酸化炭素を吸い続けているとき

慢性的に少量の一酸化炭素を吸い続けることで、後遺症のような症状が現れる場合もあります。具体的な症状としては、頭痛、めまい、眠気、手足のしびれなどがあります。

一酸化炭素中毒の後遺症が出ると、どんな症状が出てくるの?

一酸化炭素中毒による主な後遺症には、慢性の頭痛と学習記憶障害があるとされています。

さらに、以下のような症状が見られる場合もあります(患者さんごとに脳のダメージの受け方は異なるため、後遺症の種類や程度などもそれぞれで異なります)。

知能低下
言葉の遅れ、計算ができないなど
記憶障害
物事を覚えられない、思い出せないなど
意識障害
判断力の低下、思考力の低下など
行動異常
走り回る、自傷行為など
精神障害
人格変化や物忘れなど

そのほか、パーキンソン症候群や認知症、抑うつ、失禁といった後遺症も報告されています。また、重度の一酸化炭素中毒によって昏睡状態になっている場合は、そのまま植物状態に移行する可能性があり、その後、植物状態から死にいたるケースもあります。

一酸化炭素中毒で後遺症が残った場合の治療法は?

一酸化炭素中毒で後遺症が見られる場合は、リハビリ治療が必要になります。リハビリ治療の内容は後遺症の種類や重症度などによって異なりますが、主に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などによる各種訓練を受けることになります。

なお、一酸化炭素中毒による後遺症はリハビリ治癒を続けることで治癒する可能性が期待できますが、中には治癒までに数カ月~数年程度の期間を要する場合もあります。そのため、リハビリ病院などのリハビリ治療に専念できる施設を探すことも重要です。

おわりに:一酸化炭素中毒によって後遺症が生じる可能性があります

重度の一酸化炭素中毒を引き起すと、適切な治療を受けたとしても後遺症が現れる可能性があります。ただし、後遺症が生じた場合であっても、リハビリ治療を受けることで治癒できる可能性は十分あります。そのため、リハビリ病院などでリハビリに専念することが重要です。

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