赤ちゃんの便に食べ物がそのまま出る未消化便とは?

2018/8/21 記事改定日: 2020/3/31
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

離乳食を始めた赤ちゃんの便をチェックしていると、食事に混ぜた野菜などがそのままのかたちで出てくることがありますが、これは消化不良なのでしょうか?
今回は赤ちゃんの便に食べ物がそのままのかたちで出てくる現象について、その原因や、そのまま排便されないためにできることを解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

赤ちゃんの便に食べ物がそのまま出るのは消化不良なの?

赤ちゃんの便に食べ物がそのままのかたちで出てくるのは、消化不良というよりも「消化しきれなかった」とするのが適切な状態です。

離乳食を通じて、赤ちゃんはいろいろな食べ物を口にし、その都度食べ方や消化の仕方を学び、少しずつ大人の胃腸の状態に近づいていきます。離乳食を始めたばかりの生後6か月~2歳くらいまでは、まだうまく食べ物を咀嚼したり消化することが難しいため、消化しきれずに排便されるケースも多いのです。

とくに、以下に挙げる食材は赤ちゃんにとって消化が難しく、そのままのかたちで排便されやすいので、覚えておきましょう。

赤ちゃんにとって、消化が難しくそのまま排便されやすい食材
  • ニンジン
  • トウモロコシ
  • 大豆などの豆類
  • ひじきなどの海藻類
  • ほうれん草、えのきなど繊維の多い野菜・キノコ類
  • トマト
  • バナナ

未消化便にならないようにするには、どうすればいい?

赤ちゃんの便に食べ物がそのまま出てきてしまう未消化便になる理由としては、以下の2つが考えられます。

  • 赤ちゃんがよく噛んでいないため、消化できる状態にならなかった
  • 食材の柔らかさや大きさが、赤ちゃんが消化できる状態ではなかった

赤ちゃんの便に食べ物がそのまま出ないようにするためには、離乳食を作るときに以下のことに気をつけてみましょう。

赤ちゃんの未消化便を避けるためにできる工夫
  • 丸のみしても消化できるよう、もう少し細かいみじん切りにする
  • みじん切りの前に茹でておき、食材をもう少し柔らかくする
  • 逆にしっかりと咀嚼させるために、食材を多少大きめに切るようにする  など

赤ちゃんが食べたものを消化しきれず、そのままのかたちで排便してしまうのは仕方のないことなので、幼齢に合った食事内容にしている限りは問題ありません。
過度に気にし過ぎず、赤ちゃんの消化機能の成長を待ちながら、楽しく食事を工夫するという意識でいましょう。

未消化便で病院に行ったほうがいいのはどんなとき?

未消化便は離乳食を開始したばかりの赤ちゃんには比較的よく見られる症状です。多くは離乳食の形状を工夫することなどによって改善していきますが、次のような症状を伴うときは注意が必要です。胃や腸の病気やアレルギーなどを引き起こしている可能性もありますので、医師の診察を受けるようにしましょう。

  • 便に血液のようなものが混ざっている
  • 嘔吐や発熱などの症状を伴う
  • 便の量が明らかに多い
  • 特定の食材を摂ったときだけ未消化便が出る

おわりに:赤ちゃんの便に食べ物がそのまま出るのは消化しきれなかったから!食事を工夫し成長を待とう

赤ちゃんの便にニンジンやコーンなどがそのままのかたちで出てくるのは、消化不良ではなく、消化しきれなかったためと考えられます。赤ちゃんの消化機能や咀嚼能力はまだ成熟していないため、食べ物がそのまま出てくるのはよくあることなのです。
通常、成長とともになくなっていくので心配はいりませんが、気になるなら食材をより細かくする、柔らかくするなどして工夫をしてみましょう。

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