疲労骨折が起こる原因や治療法は?骨折との違いも解説!

2018/8/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

骨折の一種に「疲労骨折」というものがありますが、これは通常の骨折とはどう違うのでしょうか。原因や治療法などと併せて解説していきます。

疲労骨折とは

疲労骨折とは、弱い力が長期的かつ継続的に加わったことで起こる骨折です。短期間に集中的なトレーニングを行うなど、スポーツの過度な練習で骨に疲労がたまり発生することが多いでしょう。

疲労骨折が起こりやすいのは、すねや足の甲、脛の外側の細い骨などの足の骨です。スポーツの種別で見てみると、野球では肘の骨、ゴルフでは肋骨に疲労骨折が起こりやすくなります。

疲労骨折では、明らかな外傷がないのに運動すると痛くなり、安静にしているときは症状が落ち着くという特徴があります。しかし、無理をして運動を続けていると、安静時にも痛みが発生するようになりますので、痛みを感じるときには早めに受診しましょう。

疲労骨折と骨折って何が違うの?

骨折は骨に大きな力が加わったことで発生します。骨が健康であるときには、かなり大きな力が加わらない限りはそう簡単に骨折することはありません。しかし、骨がもろくなっていたり一部が溶けている場合には、通常は折れない力でも骨折することがあります。このような骨折を「病的骨折」といいます。

一方、疲労骨折は、骨は健康であるにも関わらず、弱い力を同じ場所に繰り返し長い期間かけたことで起こります。弱い力で骨折が起こるのは病的骨折と変わりませんが、骨自体の問題ではない点に違いがあります。

疲労骨折の原因は?

疲労骨折の原因には、主に次の3つがあります。

  • スポーツなどの運動強度が急激に変化した
  • 栄養不足やバランスが悪い
  • ホルモンバランスが乱れた

スポーツが原因の場合では、同じ部位に大きな負担がかかる種目で多くみられます。筋力や技術、柔軟性が不足していると、骨への負担がさらに大きくなります。スポーツやトレーニングでは無理をしないことが大切です。

栄養不足でも疲労骨折は起こります。骨にはコラーゲンというタンパク質が含まれており、カルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルを組み合わせて骨の強度や弾力、耐性を作っています。ところが、このたんぱく質が不足すると骨自体がもろくなってしまうのです。また、加工食品や保存料にたんぱく質に含まれるリンは、過剰摂取するとカルシウムの吸収を抑制してしまいます。摂りすぎないように気をつけましょう。

女性に多いのが、ホルモンバランスの乱れによる疲労骨折です。女性ホルモンであるエストロゲンは、古い骨を壊す働きを抑制します。しかし、無月経や生理不順、婦人科系疾患などでホルモンバランスが崩れてしまうと、エストロゲンの働きが弱まります。その結果、骨を作る働きより壊す働きが上回ってしまい、骨密度が低下して骨がもろくなってしまうのです。

疲労骨折はどうやって治療するの?

疲労骨折になった場合には、ギブスや装具などでの固定はほとんど行いません。ただし、痛みを我慢してスポーツを継続したり、完全に折れてしまった場合には、ギブスの固定や手術が行われることもあります。

スポーツ復帰までの期間は骨折の部位によって違いますが、一般的には2~3か月かかるでしょう。原因となったスポーツは骨折が治るまで中止となります。しかし、骨折部位に負担のないトレーニングであれば、状況に応じて許可されることもあります。どの程度のトレーニングなら可能かは医師と必ず医師と相談してください。

また、骨折が治った後も、再発を予防するために柔軟性を改善するストレッチを行ったり、可動域を広げるリハビリトレーニングを行うことも大切です。リハビリについては、必ず専門機関や医療機関の指示のもと、症状に合わせて適切に行うようにしてください。

おわりに:疲労骨折かもと思ったら早めの受診を

疲労骨折は、強い痛みでなくても起こっていることがあります。日常的にスポーツやトレーニングを行っていて痛む場所があるときには、早めに病院を受診してください。早期発見すれば早期治療につなげることができ、スポーツへの復帰も早く叶うことでしょう。

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