食べられる除菌剤、パストリーゼ 77の効果と安全性をインタビュー|ドーバー酒造株式会社

2018/8/29

お弁当を作ったときは十分に火を通したつもりでも、夏の暑さや暖房などで食べ物が傷んでしまわないか、気になったことはありませんか?今回は、食べ物に直接吹きかけても安心・安全な除菌剤「ドーバー・パストリーゼ77」を製造・販売しているドーバー酒造様を訪問し、商品開発の経緯や抗菌力が持続する理由、そして、口コミだけでこの商品が広まったエピソードなどを伺ってきました。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

― 本日はよろしくお願いいたします。事前に「ドーバー・パストリーゼ77®(以下、「パストリーゼ77」)」について調べたのですが、こちらの商品、南極観測隊でも採用されているんですね。

はい。平成16年から現在(平成30年)までの14年間、昭和基地で使っていただいています。調理担当の方がさまざまな商品を試していく中で、当社の製品が最も優れていると評価していただいてからずっとです。

南極に派遣される隊員は毎年違うので、基本的に継続して持参される装備はないらしいのですが、「パストリーゼ 77」だけは毎年持っていっていただいています。実は、2017年3月のブログ記事に掲載されている調理風景の写真に、この商品が写っているんですよ。

▼ 昭和基地NOW!!「昭和基地の食事風景」

昭和基地以外にも、製菓をはじめとした食品関連の製造・販売先で使っていただいています。特に、その会社やお店の製品の味を変えることなく、食品の安全性を高めている点を評価していただいているようです。

食品に使えるアルコール除菌剤

― 食品に直接吹きかけることができるんですか?

はい。「パストリーゼ77」は食品添加物の許可を取得しているので、食べ物に直接吹きかけることができます。食品添加物として販売できるアルコール製剤はほかにもありますが、当社は酒造メーカーなので、単なるアルコール除菌剤ではなく、徹底的にこだわって作ることにしました。リキュールなどを造るサトウキビを原料とした高純度の醸造用アルコールを100%使用、濃度を調整する水も純水を使っています。

― 商品名についている「77」は何を意味しているのでしょうか?

「77」はアルコールの度数を表しています。除菌剤としてアルコールを使う場合、度数が強すぎても、弱すぎてもダメなんです。だいたい、70~80%ぐらいの度数にするのが最もアルコールの抗菌力が強いと言われています。

「パストリーゼ77」のアルコール濃度は重量パーセントでは70.13%、酒類の表現方法である容量パーセントでは77%となり、ゴロもよく商品名の一部に取り入れています。

ちょうど、どのくらい効果があるかがひと目でわかる写真があります。


これは寒天の培地に「パストリーゼ77」と他社の製品を噴霧し、アルコールを蒸発させたあと、雑菌を培養したものです。
その結果、「パストリーゼ77」のほうはカビが少し生えたものの、大量増殖は抑えていますが、他社の製品はどちらもカビの増殖を食い止めることができませんでした。

ただ、このような効果の違いを出せたのは、アルコール濃度の違いというより、カテキンの抗菌力によるものです。「パストリーゼ77」にはアルコールのほかに高純度のカテキンを配合しているので、アルコールが蒸発した後もなお、抗菌効果を維持し続けることができるんです。

こうした工夫をしたのは、実は洋菓子店さんから寄せられた声がきっかけでした。「1週間お店を空けていても清潔な環境を維持できる製品はないものか」というご意見をいただき、そのご要望に応えたい! と思ったんです。

― 実際に使う方の声を参考にしながら、「パストリーゼ77」を開発されたんですね。この商品を開発するにあたって、苦労されたこともあったと思うのですが……。

「パストリーゼ77」を作る施設を作るのに苦労しました。抗菌剤を製造する場所ですから、施設内も衛生に配慮し人の手を介在しない、完全自動化の製造ラインを用意したかったんです。消防のかたから、前例の無い自動化ラインということで、消防法の様々な制約をクリアーするのに約2年かかり、ようやく我々が目指す衛生的な自動ラインが完成しました。

ほかのメーカーさんの製品をみると、設備を整える代わりに、アルコール濃度を60%以下に抑えつつ、酸(クエン酸、リンゴ酸など)を加えて殺菌力を維持してしのいだところが多いのではないでしょうか。確かに、酸を加えれば殺菌レベルは上がるんですが、さびたり、酸が残ってべたついたりするので、どこにでも使える製品にはならないんですよね。

「ノロウイルスに効果がある」と主張できないジレンマ

― 除菌剤と聞くと、バイ菌やウイルスをやっつけてくれるようなイメージがあるんですが、「パストリーゼ77」で菌を取り除くことができたりするのでしょうか?

調べてもらったことがあります。
過去に、厚生労働省と農林水産省の共管である財団法人 畜産生物化学安全研究所にパストリーゼ77の効果を、ノロウイルスは培養方法が確立されていないため、代替ウイルスによる試験ですが、「有効性が示唆される」という結果がでました。

厚生労働省も同様の試験を行いその結果「有効性の示唆」をもとにノロウイルスへの対処方法を告知しています。

実はこの試験を実施した後、国が本格的なノロウイルス対策を検討するために、国立医薬品食品衛生研究所がノロウイルス対策をうたった市販の製品を集めて試験を実施しています。

もともと厚生労働省は、ノロウイルス対策として「85度で1分以上の加熱、あるいは次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効」と言っています。でも、金属や人間の肌など、必ずしもこの対処法が取れない場合があったので、新たな消毒法を模索し始めたのがそもそものきっかけのようです。

この試験結果を見ていて、たまたま「パストリーゼ77」も対象に含まれていることに気づきました。試験結果の中では「市販品AN」と書かれているんですが、この検査でもノロウイルス除菌の効果が実証されています。「パストリーゼ77」にはカテキンが配合されているので、おそらくノロウイルスにも威力を発揮するだろうと予想していましたが、実際に期待通りの結果が出てとてもうれしかったです。

ただ残念なことに、「パストリーゼ77」は食品添加物なので、法律上「ノロウイルスに効果がある」と主張できないんですよね……。

― しかるべき機関の試験結果でノロウイルスを除菌できることがわかっているのに、それを伝えられないなんて……。もどかしすぎますね。

法律で決められたことだから仕方ないとはいえ、おっしゃる通りもどかしいです。「ウイルス」は大丈夫なんですが、ノロウイルスだけでなく、O-157や黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌といった具体的な細菌名やウイルス名は出せません。さらに言えば、「殺菌」「消毒」といった言葉も使えないんです。

― えっ、「殺菌」「消毒」もダメなんですか!?

はい。「殺菌」「消毒」という言葉が使えるのは日本薬局方の医薬品や医薬部外品だけで、食品添加物である「パストリーゼ77」では使えません。また、手指の除菌に、という使い方も薬事法により製品への表記、広告も禁止されています。
食べても良いものなのに手指を拭いて除菌することがダメというのも理解しにくいものですが。

だから、広告には「除菌」や「抗菌」という言葉を使っているんですけど、言葉の印象から「殺菌」や「消毒」と書かれた商品ほど効果はないと思われてしまうのがつらいところです。

実際、お客さまから「おたくの商品は『消毒』できないんでしょ」とか、「こっちの製品は『消毒』ってあるけど、おたくのは『除菌』だから弱いんだよね」と言われてしまうこともあります。
消毒も除菌も効果は変わらなくて、単に法律上の制約から「除菌」と「消毒」と表記が違っているだけに過ぎない、と説明すると、皆さんびっくりされます。そりゃ、知らない人のほうが多いですよね。

ここまでお話すると、医薬品や医薬部外品として認可されたほうがいいのでは、と思われるかもしれません。でも、医薬品・医薬部外品になると、食品に吹きかけたり、吹きかけた食べ物を口にすることができないんです。食品にも安心して使えることが「パストリーゼ77」の一番の強みなので、食品添加物としての認可でよかったんです。

ただ、実を言うと、兵庫県にある神戸三田工場では、医薬部外品の製造免許も取得しています。しかしながらパストリーゼ77のような抗菌力や抗ウイルス力があり、使い勝手の良い製品は、薬事法の指定原材料では出来ないので断念しています。

業務用の製品が一般家庭に普及した、意外なきっかけ

― 「パストリーゼ77」は食品関係の会社や街のお菓子屋さんで愛用されている、とのことでしたが、個人で使っている方はいらっしゃらないのでしょうか? ウイルス対策に悩むご家庭は多いように思うのですが。

「パストリーゼ77」は業務用として使っている方が多いんですが、主婦を中心に、一般の方にもご愛用いただいています。ただ、一般の方向けにマーケティングをしたことは一度もなくて、ご使用いただたかたの口コミで拡げていただきました。

― 素晴らしい商品を作っていらっしゃるからこそ、きっと自然に口コミが生まれているんですね。個人の方で、どのような方が購入されているかは把握されているんですか?

データとしては持っていませんが、Webサイトを見る限りでは主婦の方が家庭の常備品として購入されているようです。「一度使ったらもう手放せない」といったコメントを残してくださるのもほぼ女性です。

「パストリーゼ77」は食品の除菌・抗菌に使っていただく目的で作られた製品なので、食べ物まわりで活用している、との声もいただいています。使い方の一例をご紹介します。

  • 保存食を詰める瓶を煮沸消毒する代わりに吹きかける
  • 使いかけの野菜や食べかけの瓶詰め商品に吹きかけて、変色やカビを防ぐ
  • お弁当を詰める前にフタに吹きかけて腐るのを防ぐ
  • お弁当箱を洗う時間がないときに吹きかけて悪臭を防ぐ

そのほか、たとえば、歯みがきの後に歯ブラシに吹きかけるとスッキリしてきれいになった感じがする、といった声をいただいたこともあります。

ただ、Webサイトを見ていると、掃除用具として使っていらっしゃる方も多いようです。たとえば、お風呂場でカビが生えそうなところに吹きかけておくとカビが生えないとか、ガスコンロのしつこい油汚れの落ちがいいとか。ほかにも、ペーパータオルに吹きかけて、換気扇の油汚れをサッとぬぐったり、赤ちゃんの哺乳瓶やおもちゃを消毒したりする方もいました。

― 使い方がどんどん広がっていくのが面白いですね! ちなみに、販売数が伸びる時期はあるんでしょうか?

以前は食中毒が起こりやすかった梅雨時や秋口に売り上げが伸びていたのですが、最近は季節に関係なく購入していただいているようです。とはいえ、昔は冬にそれほど売れなかったのですが、最近はボトルに印字した「STOPウイルス」のおかげなのか、ノロウイルスのシーズンである冬にも売れるようなりました。今年の冬は昨年12月から今年2月にかけて、需要が落ちなかったです。大掃除にも使っていただいたかもしれませんね。

― ありがとうございます。最後に、今後の方向性についてお伺いしたいと思います。

もともと当社は業務用の洋酒メーカーで、食品工場や洋菓子店さんにずっと使っていただいている製品を作っています。まずは今後も変わらず、弊社の商品をご愛用いただくことが一番の目標です。

ただ、一般の方の「プロが使っているものを使ってみたい」というお気持ちにも応えたいと思っています。そのためにも、プロが使う高品質のものを、一般の方がご家庭で安心して使っていだたけるような製品を発信していきたいと考えています。

あともうひとつ、使う方の気持ちも大事にしたいと考えています。

「パストリーゼ77」のパッケージは部屋に置いても違和感がなく、おしゃれでいい、と好評をいただいています。このパッケージ、実は発売当初(30年くらい前)から変えていません。

「殺菌」や「消毒」という文言を製品に入れた方がわかりやすいですが、食品の販売店舗で窓越しに「アルコール殺菌剤」と書かれたボトルをみたら、このお店は不潔なの?と思われかねないので、違和感のない、汚いイメージを連想させることのない現在のパッケージデザインになったそうです。使う人の視点に立った商品開発の視点は、今後も忘れずに持ち続けたいと思います。

― 本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

▼ ドーバー・パストリーゼ77

SNS上の「パストリーゼ77」の評判

. . 涼しくなったと思ったら、また暑さがもどってきたような…☀ . . お出掛けに持ち運びしているボトル。 . ひとつはパストリーゼを詰め替えたもの。 外食時、たまに汚れたテーブルなどにシュシュっとすると気持ちよくご飯を食べられます😂 . もうひとつは日焼け止め😊 ラロッシュポゼの日焼け止めはこどもの肌にも優しくてスキです。 . 今日から楽天でポイントバック祭というものが始まっていますね! 買った値段によってポイントが沢山付くというキャンペーン。 大きな買い物をするときにはお得だなぁ🙆 . ダイニングのライトをかえたくて、検討中のペンダントライトがあります😳 この機会に欲しいなぁ…💓 . .

ちーこさん(@c.west.home)がシェアした投稿 –

#コストコ購入品 豚の肩ロースの塊1.7kg カットして紐が付いてたからそのまま煮るだけで楽チン🤘 * ◆鍋にお肉全部、玉ねぎのみじん切りを飴色になるまで炒めたものを入れる。 ◆酒を肉が半分浸かるくらいまでいれて、醤油とみりんを同量、蜂蜜は適当※砂糖でok、#グルメのたれ ※写真2枚目 を入れて7、8割くらい浸かればok。 ◆肉と肉の隙間に、ニンニクまるまる2個分(半分はすりおろして、半分皮をむいてそのまま)、生姜2かけをスライスしたものを入れる。 ◆鍋を火にかけて沸騰したらアクを取ったら弱火でぐつぐつ。 ◆20~30分くらい煮たら、肉をひっくり返してまた20~30分煮る。 ◆粗熱が冷えたらタッパーなどにうつして、#パストリーゼ をお肉とフタにかけてから、密着ラップをして1晩しっかりひやす。 ※写真3枚目 ◆白く固まった油をスプーンで丁寧に取り除いて隙間があればゆで卵を入れても○ ※写真1枚目は油を取り除いた後 * 1週間くらいもつから、細かくきってチャーハンや混ぜご飯にしたり、野菜と一緒に炒めたり、細かくさいて野菜と一緒にパンに挟んだり、カレーに入れたり🤘 タレも美味しいから照り焼きや生姜焼きに使ったり、煮物に入れたり🤘 * コストコでかったグルメのたれは、甘い! 甘辛くしたいなら醤油と塩をプラスするといー感じ😛 ホルモンとかを浸けて焼くならちょうどいいかも😀 * #コストコ #Costco #コストコ購入品 #にんにく料理 #煮豚 #コストコのお肉 #足場屋 #スタミナ料理 #にんにくだいすすき #

あささん(@asa10383)がシェアした投稿 –

関連記事

この記事に含まれるキーワード

インタビュー(13) 消毒(16) 殺菌(6) 感染症予防(5) 食中毒予防(6) パストリーゼ77(1)