記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
抗生物質を服用しているのにその効果があらわれない場合、薬剤耐性菌が原因となっている可能性があります。この記事では、薬剤耐性菌に感染しやすい方や耐性菌ができてしまう原因、どうすれば耐性菌の感染拡大を予防できるかを解説します。
耐性菌は、身のまわりにはあまり存在しない細菌なので、日常生活の中で感染することはほとんどありません。しかし、抗生物質で治療を受けている方や入院中の方、抵抗力が弱っている方は耐性菌にかかりやすくなります。
耐性菌に感染すると、治療に使える抗生物質が制限されるため、治療で使える抗生物質が限られます。また、耐性菌は病気や加齢によって抵抗力が弱くなっている方に感染しやすいため、特に医療機関や介護施設などでは、医療スタッフを介して患者や入居している方に感染が広がる恐れがあります。
耐性菌の感染経路は接触感染です。接触感染とは、感染した人に直接触ったり、たまたま周辺に存在していた細菌に触れたりすることで感染することです。
耐性菌に感染しやすい方は自力で身動きがとれる方が少ないため、医療スタッフによる接触感染を通じて感染してしまう可能性が高いと考えられています。医療スタッフの手などに付着した細菌が患者さんに触れたり、空気中に浮遊した細菌が患者さんのそばに付着したりすることで、感染を広げてしまうのです。
自分自身が感染しない、もしくは感染を拡大させないためには、感染予防対策を徹底することが重要です。感染予防対策の基本は手洗いうがいです。泡立てたせっけんで手のひらや手の甲、指やつめの間まできれいに洗い、流水でしっかりと洗い流したら、乾いた清潔なタオルで水気をふき取りましょう。
また、医師から薬が処方された場合は、薬を指示通りに飲み切って体内から病気の原因となった細菌を確実に追い出すことも大切です。
耐性菌は抵抗力が弱っている方や抗生物質で治療を受けている方、入院して治療を受けている方に感染する可能性があります。医療従事者を通じて感染する確率が非常に高いのですが、自分自身でも感染予防の対策をとることが大切です。手洗いうがいなどを徹底的に行うのはもちろん、処方された抗生物質は全部飲みきって、耐性菌を作らない・感染しないようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。