記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/4/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
つらい症状を改善するために薬を服用したあと、症状が改善した一方で、眠くなったり、お腹の調子が悪くなったりした経験がある方は意外と多いかもしれません。この記事では、薬を服用したあとに副作用が起こる理由を紹介します。また、副作用で入院しなければいけなくなったなど、深刻な副作用が起きた場合の対処についても解説します。
副作用にはさまざまなものがありますが、なかでも風邪薬や抗アレルギー薬、抗不安薬などによる「眠気」は誰でも一度は経験されているのではないかと思います。
また、内服薬は腸管で吸収されることから、「下痢・便秘」も比較的多い副作用です。「発疹」も起こりやすい副作用で、発症時期は薬によって内服してから数分から3~4日とかなり差があります。薬に対して皮ふの免疫機能が過剰に反応すると「かゆみ」がでることもあります。
さらに、解熱鎮痛薬やステロイド剤、抗生物質の中には「胃痛や胃の不快感」を起こしやすいものがあります。ただ、このような薬を処方される場合は、必要に応じて胃粘膜を保護する薬も一緒に処方されることがあります。
なお、薬によるアレルギー症状が原因で、じんましんや呼吸困難といった症状を引き起こす「アナフィキラシーショック」があらわれることもあります。
薬の副作用の原因には、避けられないものと注意すれば避けられるものがあります。
避けられないのは薬の成分で起こる副作用で、薬の効き目が強いものほど副作用が起こるリスクが高くなるものが増えてきます。副作用が起きたら服用を中止するのが一般的ですが、副作用によるデメリットより、主作用によるメリットのほうが大きい場合は服用を継続することもあります。薬を継続使用するかどうかは、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。
一方、注意すれば避けられるものとして、自分の体質や体調が原因のものや、ほかの薬や食品との飲み合わせ(相互作用)が原因のものがあります。
複数の薬を飲んでいる場合は、医師や薬剤師にどんな薬を服用しているかを伝えてください。また、もし過去に副作用を起こしたことがある場合は、どのような薬で起きたかなど、そのときの状況なども事前に医師や薬剤師に伝えることがたいせつです。また、食品との食べ合わせ・飲み合わせで副作用が起こることもあるので、この点についてもきちんと確認しておくことが大切です。
そして、薬を正しく服用すれば起こらない副作用もあります。決められた用法・用量で薬を服用することは、副作用のリスクを下げる上でなにより大切です。
薬は有効性と安全性が厳しくチェックされたものですが、副作用をなくすことは難しいため、医師の指示通りに服用しても深刻な副作用が生じる可能性は残っています。もし、薬の服用後に気になる症状がみられたら、処方してくれた医師・薬剤師に伝えて指示をあおぎましょう。
そして、もし副作用によって入院が必要となったなど、一定以上の健康被害が生じた場合には、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度を利用すれば給付金を受け取ることができます。ただし、薬の飲み方や状況、種類によって対象から除外される場合もあります。具体的な申請条件など、詳細については「独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に尋ねてみましょう。
眠気や下痢・便秘、発疹、かゆみ、胃の不快感などは、副作用として比較的多くみられる症状です。薬の成分や吸収のされ方により起こる場合が多くありますが、体質や体調、食べ合わせや他の薬との飲み合わせ、正しくない飲み方などによって発症したりひどくなる場合もあります。医師や薬剤師と相談し、自分に合った薬を指示通りに正しく飲むことが大切です。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。