非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の効果と副作用について

2019/4/14

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

頭痛や発熱の症状があるときに服用する解熱鎮痛薬。ひとくちに解熱鎮痛薬といってもさまざまな種類がありますが、その中のひとつに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイズ)があります。この記事では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の効果や副作用について解説します。

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非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは

NSAIDsとは、ステロイド以外の作用で炎症や痛みを抑え、解熱する働きを持つ解熱鎮痛薬の総称です。一般的には頭痛やケガ、術後や風邪などによる炎症による痛みや発熱症状を抑えるために使われます。

NSAIDsは体内でどんな働きをする?

体内の炎症や、炎症に伴う痛みや発熱は、主に体内でプロスタグランジン(PG)と呼ばれる物質が生成されることで引き起こされます。プロスタグランジンは、アラキドン酸に対しシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素が作用することによって体内で生成されることが確認されています。

NSAIDsは、炎症・痛み・発熱を引き起こすプロスタグランジンを生み出す要素の1つであるシクロオキシゲナーゼの働きを阻害し、プロスタグランジンの生成を抑えます。これにより、炎症・痛みを抑えるとともに、体温も下げることができるのです。

NSAIDsの副作用は?

NSAIDsの使用・服用にあたっては、以下のような副作用が現れる可能性があります。

消化器症状
吐き気、食欲不振、胃潰瘍、十二支潰瘍 など
喘息発作
呼吸するとゼーゼー、ヒューヒューといった音がする、息苦しい など
腎機能障害
尿量が少なくなる、倦怠感、むくみ、発疹などの症状を伴う急性腎不全 など

ただし、上記の中で副作用として生じる可能性が高いのは消化器症状だけで、喘息や腎機能障害が現れるケースは非常にまれといわれています。NSAIDsの使用・服用後に、副作用が疑われるような症状が現れたら、すぐに病院や薬局に行って医師・薬剤師に相談してください。

なお、妊娠中の女性にNSAIDsを使うのは原則として避けるべき、とされています。特に、出産予定日まで12週を切った妊娠末期の方には使用してはいけないとされています。NSAIDsの使用・服用に対して不安があるときは、どんなことでも医師に相談しましょう。

おわりに:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、抗炎症・鎮痛・解熱作用のある薬です

ステロイドを含まない、抗炎症、鎮痛、解熱をする薬を総称して非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼びます。シクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害し、体内で炎症や痛み、発熱を誘発するプロスタグランジンの生成を抑えることで、炎症や痛み・熱の症状を軽減するという作用が特徴です。解熱鎮痛剤として広く使用されていますが、消化器トラブルの原因になったり、妊娠中の女性は服用に気をつけるべきといった注意点があります。服用にあたって気になることや、不安なことがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。

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