ホスホマイシン系の抗生物質の特徴は?どんなときに服用するの?

2019/5/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

細菌に作用する抗生物質には、さまざまな種類があります。この記事では、ホスホマイシン系抗生物質について、その働きやどんな治療薬があるか、そして想定される副作用について解説します。

ホスホマイシン系抗生物質の働きは?

ホスホマイシン系抗生物質は、ペプチドグリカン(細胞壁を合成する主な物質)の働きを初期の段階で妨害することで抗菌作用を発揮する薬です。プロテウス菌、セラチア菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌など、比較的多くの病原菌に効果があり、同じ効果を得るために徐々に投与する量を増やしていかなければならないということもないといわれています。

嫌気性菌(酸素を必要としない細菌)が繁殖しやすい場所でも活発に働き、特に腸管感染症に有効な抗生物質といわれています。注射剤、内用薬は血液感染症、呼吸器感染症、泌尿器感染症、婦人科感染症など、広範囲の感染症治療に用いられるほか、点耳剤は外耳炎や中耳炎の治療に用いられています。

主なホスホマイシン系抗生物質の治療薬は?

ホスホマイシン系抗生物質として、ホスホマイシンカルシウム(商品名:ホスミシン®︎、ホスミシン®︎S)があります。

ホスホマイシンカルシウムには、錠剤やシロップのほか、点滴静脈注射用のものがあります。また、中耳炎や外耳炎の治療には点耳薬が処方されることもあります。

ホスホマイシン系抗生物質の副作用は?

皮ふ症状として発疹、かゆみ、じんましんなどがあらわれる場合があるほか、消化器症状として下痢、吐き気、腹痛が、肝機能障害として全身倦怠感、食欲不振、黄疸などがあらわれる可能性があります。

なお、ホスホマイシンの注射製剤は成分中にナトリウムを含むため、心不全、腎不全、高血圧などの持病がある場合は特に注意が必要です。血管痛、潮紅、発熱、腎機能障害、知覚減退なども報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

そのほか、まれに呼吸困難や血圧低下、動悸息切れ、のどの痛み、歯ぐきの出血、発作的な筋肉の収縮などがあらわれたら、重大な副作用の初期症状である可能性があります。使用をやめてすぐに医師の診察を受けましょう。

おわりに:細菌の細胞壁の合成を初期の段階で止める抗生物質で、多くの感染症などに使われる

ホスホマイシン系の抗生物質は、細胞壁を合成する主要な物質の働きを初期の段階で妨害することによって抗菌作用を発揮します。注射剤や内用薬としてさまざまな感染症に用いられるほか、点耳剤として外耳炎や中耳炎の治療にも使われています。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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