ロキソプロフェン配合の薬には、錠剤以外にテープもあるの?

2019/3/28

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

痛み止めとして使われることが多いロキソプロフェンには、錠剤のほかにテープや湿布タイプのものがあることをご存知ですか。この記事では、ロキソプロフェンを配合する薬にはどんなタイプがあるかを紹介するとともに、選ぶときのポイントについても解説します。

ロキソプロフェン配合の薬は錠剤以外にもある

ロキソプロフェンが配合されている薬には、錠剤のほかにテープ、ゲル、パップがあります

テープタイプは、ロキソプロフェンの薬用成分が皮膚から浸透して、症状を引きおこすプロスタグランジンの生合成を抑えることで効果を発揮する薬です。変形性関節症や筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛に対して効果があります。独特な香りがするのも特徴のひとつです。

ちなみに、ゲルタイプは無色~微黄色透明のゼリー状のゲル剤、パップタイプはハッカの香りが特徴の湿布タイプの薬です。どちらも消炎鎮痛効果があります。

錠剤とテープ、どちらを使っても効き目は同じ?

体の痛みを和らげるためにロキソプロフェンを使いたいとき、どのタイプのロキソプロフェンを使えばよいのでしょうか。

錠剤は有効成分がロキソプロフェン配合薬の中でも多く配合されているため、すぐに痛み止めの効果を得たい場合は錠剤を選ぶのがおすすめです。テープは直接患部に貼ることができるので、一見すると効果が高いように思いがちですが、ロキソプロフェンの皮膚からの吸収率は内服薬の10分の1といわれているためです。

なお、ロキソプロフェンの効果が反滅する時間は短い(1.3時間)ので、内服薬とテープ薬を併用しても副作用が強くあらわれることはない、といわれています。

ロキソプロフェン配合のテープで起こりうる副作用は?

ロキソプロフェン配合のテープを使うことで起こりうる副作用として、テープを貼付した部分の接触性皮膚炎(1.4%)、そう痒 (0.5%)、紅斑(0.4%)などがあります。そのほか、非常にまれではあるものの、アナフィラキシーショックや消化器症状があらわれることもあります。

また、65歳以上の方に副作用があらわれやすいことが明らかになっています。また、妊娠中、特に妊娠後期の女性が服用すると胎児に影響が及ぶこともわかっています。もし、妊娠中の方や授乳中の方が痛みを和らげるためにロキソプロフェンを使いたい場合は、使用するメリットがデメリットより上回るときだけとされています。自己判断での使用を検討せずに、必ず医師に相談してから服用しましょう。

ロキソプロフェンで症状が落ち着いたら治療は不要?

ロキソプロフェンは、一時的に痛みを止める働きをするもので、痛みの根本的な原因を治すものではありません。痛みの原因を根本的に改善するには、その原因となる症状を明らかにして治療することが必要です。症状が落ち着いたからといって放置せず、医療機関を受診するようにしましょう。

おわりに:痛みの程度や痛む場所によって使い分けましょう

ロキソプロフェンを配合する薬には、錠剤のほかにテープやゲル、パップタイプなどがあります。このうち、錠剤が有効成分を多く含んでいるため、確実に痛みを抑えたいときは錠剤を服用するのがおすすめです。テープを使う場合、皮膚に直接使用するぶん、肌が赤くなったり、かぶれたりすることがあります。もし、このような症状がみられたら、医師もしくは薬剤師に相談してください。

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