赤ちゃんとミルク~母乳から牛乳への移行~

2017/4/17

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

赤ちゃんは生まれてから母乳や調整粉乳で育ちます。母乳には赤ちゃんに必要な栄養素が詰まっています。何らかの理由で母乳がでなかったり足りなかったときの調整粉乳は、母乳と同じ成分が含まれ赤ちゃんの栄養を補っています。赤ちゃんのミルクは、離乳食がすすむと母乳や調整粉乳から牛乳に変わります。ここでは、赤ちゃんとミルクについてお話します。

ミルクは、全乳がいいのか? 低脂肪乳がいいのか?

赤ちゃんにあげるミルクは、全乳がいいのでしょうか、低脂肪乳がいいのでしょうか?

海外の研究データによれば、牛乳に含まれる脂肪が脳とその神経系の発達に有効だとされ、1歳児には「全乳」、2歳児では身体が発達してきて脂肪もそれほどいらなくなるため「低脂肪乳」でよいと考えられていました。
しかし最近では、赤ちゃんの肥満やコレステロール値に関心が寄せられるようになってきています。近年ではほかの食べ物からも十分な飽和脂肪酸を摂取することができるようになって以前ほど牛乳からの脂肪摂取に重きを置かなくなってきました。そのため、赤ちゃんに低脂肪乳を飲ませても発達には問題ないということがわかっています。

赤ちゃんが1歳になったとき、全乳か低脂肪乳かは以下を参考にしてみましょう。

全乳

・体重のBMI値が85%以下
・家族に、肥満や高コレステロール血症、心臓病と診断された人がいない

低脂肪乳

・体重のBMI値が95%以上
・家族に、肥満や高コレステロール血症、心臓病と診断された人がいる
その場合、2歳になっても引き続き低脂肪乳をあげたほうがいいのか、全乳に切り替えたほうがいいのかは、医師に相談することもお忘れなく!

赤ちゃんが牛乳を飲んでくれない

赤ちゃんが牛乳の味に抵抗を感じるようなら、以下の方法を試してみましょう。
・牛乳に母乳や調製粉乳を混ぜ、少しずつ牛乳の割合を増やしていく
・牛乳の温度を変えてみる(温めると飲んでくれることもあります)
・赤ちゃんの好きな果物と牛乳をミキサーにかけてみる(食物繊維やビタミンも同時に摂取できるというメリットもあります)

おわりに:ミルクアレルギーには気をつけよう

厚生労働科学研究班の「食物アレルギー診療の手引き」によれば、牛乳は食物アレルギーの発症数が多く、重篤度が高いもののひとつにあげられています。赤ちゃんが、牛乳を飲みたがらなくてもイライラしたり、悩んだり、強制しないようにしましょう(もし、ミルクアレルギーがあるならなおさらです)。ほかの食材から必要な脂肪を摂取できるように工夫しましょう。

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