赤ちゃんの蕁麻疹とアレルギー

2017/4/14

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

蕁麻疹(じんましん)は、一生のうちに一度は経験する発疹を伴う症状です。食べ物や薬に対するアレルギー反応、暑さ、寒さといった刺激、太陽光などで起こります。赤ちゃんの蕁麻疹の多くは、アレルギー性蕁麻疹です。アレルギー性蕁麻疹は、食べ物、薬、植物、昆虫の毒素などに曝露されることによって起こります。ここでは、蕁麻疹を起こすアレルギーの仕組みなどについてお話します。

蕁麻疹とは

蕁麻疹は、皮膚の中の血管が膨らんで血液の中の血漿と呼ばれる成分が周囲ににじみ出て皮膚が盛り上がった状態をいいます。血管のまわりにあるマスト細胞(肥満細胞と呼ばれるが肥満とは関係ありません)が何らかの理由で顆粒を放出することで、血管がそれに反応して蕁麻疹を起こします。顆粒の中のヒスタミンというアレルギーを起こす作用物質が皮膚の血管に働くことで、血管を拡張し血漿成分を血管の外に漏れ出やすくします。また、ヒスタミンは神経を刺激して痒み(かゆみ)を起こすので、蕁麻疹では「かゆみ」を伴います。

アレルギーの症状

アレルギー反応の症状は、アレルギーのあるものに曝されてから数分以内に発症しますが、ときには数時間かけて徐々に発症することもあります。アレルギー反応はやっかいで日常活動を妨げることがありますが、ほとんどが軽度です。ごくまれに、アナフィラキシーと呼ばれる重篤な反応が起こることがあります。

主なアレルギー症状

アレルギー反応の一般的な症状には、次のようなものがあります。
・くしゃみ、かゆみ、鼻水、鼻づまり(アレルギー性鼻炎)
・目のかゆみ、赤い目、涙目(結膜炎)
・喘鳴、胸部圧迫感、息切れ、咳
・隆起したかゆみを伴う赤い発疹(蕁麻疹)
・唇、舌、目または顔の腫れ
・腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
・乾燥して赤くひび割れた皮膚
これらの症状は、何にアレルギーがあるか、どうやって接触したかによって異なります。

アナフィラキシーショック

アレルギーは、まれにアナフィラキシーと呼ばれる重度のアレルギー反応を引き起こし、生命を脅かすこともあります。アナフィラキシーは全身に影響を及ぼし、アレルゲンに曝されてから数分以内に発症します。

アナフィラキシーでは、アレルギー症状のほかに以下の症状がみられます。
・喉と口の腫れ
・呼吸困難
・意識混濁や混乱
・皮膚や唇が青ざめる
・衰弱して意識を失う

アナフィラキシーは緊急を要し、一刻も早い治療が必要です。

アレルギーの治療

アレルギーの治療法は、アレルギーを起こす抗原(アレルゲン)によって異なります。ほとんどはアレルゲンに曝されないようにするための措置について助言し、症状を抑えるために投薬を行います。

アレルゲンに曝されないようにするには

症状を抑える最善の方法はアレルギーがある物を避けることですが、これは必ずしも実用的ではありません。アレルゲンを同定するための方法として、プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テストなどの皮膚テストと、ヒスタミン遊離試験、抗原特異的に結合する血清IgE の測定およびアレルゲン負荷試験などがあります。

さまざまなアレルゲンに曝されないようにするには、以下のような対処法があります。
・食べる物に慎重になることで食物アレルギーに対処する
・ペットはできるだけ家の外に出し、定期的にシャンプーすることで動物アレルギーに対処する
・家の換気をよくし、湿気や結露対策をすることでカビアレルギーに対処する
・花粉が多いときは室内にいるようにし、草地を避けることで花粉アレルギー(花粉症)に対処する
・床のカーペットを外し、板の間にすることでダニアレルギーに対処する

おわりに:赤ちゃんの蕁麻疹はアレルギー

繰り返しあらわれる蕁麻疹は大人でも嫌なものですが、赤ちゃんにとってはなおさらです。赤ちゃんに蕁麻疹様の症状がみられたときには、お医者さんに相談してみましょう。

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