アルコールで脱水状態になってしまうのはどうして?予防法は?

2019/6/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アルコールを飲んだ日は水もしっかり飲んだほうがいい、と言われたことはありませんか?これはアルコール摂取によって脱水状態に陥るリスクが高くなるためなのですが、なぜそうなるのかメカニズムをご存知の方は意外と少ないかもしれません。この記事では、アルコールによって脱水状態が起こる原因とともに、対処法もあわせてご紹介します。

アルコールを飲むと脱水状態になりやすいの?

アルコールを飲むと体にさまざまな反応が起こります。中には、不調をきたすこともあり、その中のひとつが脱水症状です。

私たちの体は、成人で約60~65%も水で満たされているといわれており、体内に入ってくる水分量と体外へ出ていく水分量が一定に保たれています。こうすることで、体液のバランスを維持しています。しかし脱水症状になると、体外に出ていく水分の量が増えすぎて、体液のバランスが崩れてしまいます。

アルコールによる脱水症状には、2つの作用が関係しています。ひとつは、アルコールによる利尿作用です。お酒を飲んだ以上に、水分が尿として排出されてしまいます。たとえば、利尿作用が強いビールの場合、「1リットルのビールを飲むと1.1リットルの水分が失われる」と言われています。

もうひとつの作用は、アルコールの分解そのものに体の水分が使われるという作用です。アルコールを摂取したときに発生する有害物質、アセトアルデヒドは、体内で酢酸に分解され、さらに二酸化炭素+水へと分解されて排出されていきます。その分解に関わる酵素がはたらくためには、水分が必要となるのです。

脱水状態が二日酔いを招くって本当?

アルコールを摂取したときに発生するアセトアルデヒドという有害物質は、二日酔いを引き起こす原因にもなります。二日酔いとは、お酒を飲んだ翌朝などに、頭痛や吐き気などの不快な症状が出ている状態です。

二日酔いは、アセトアルデヒドが肝臓で十分に処理されなかったことが原因で起こります。胃の粘膜が荒れて胃腸の働きも悪くなるので、胃痛や胸やけが起こることもあります。

飲酒時は、アルコールの利尿作用や、乳酸や尿酸などの酸性物質の増加によって脱水症状になりやすくなります。しかし水分が足りないと、アセトアルデヒドを尿で体内に排出しづらくなるため、二日酔いの症状が出やすくなってしまうのです。飲酒時、飲酒後には、積極的に水分を補給し、アセトアルデヒドの排出を助けることが大切です。

二日酔いはなんとしても避けたい!そんなときは?

二日酔いをひどくしないためには、アセトアルデヒドの排出をいかにスムーズに促せるかが重要です。そのためには、アルコール以外の水分もしっかり補給し、脱水症状を避けるようにしましょう。体から水分がなくなるとき、同時に電解質と呼ばれるミネラルも同時に失われています。

そのため、水分と同時に、この電解質も摂取することが大切です。電解質とは、具体的にはナトリウム(塩分)やカリウムなどの成分で、枝豆の塩ゆでやもろきゅうなどのおつまみにも含まれています。お味噌汁などは、水分も同時に補給することができるためおすすめです。

飲み会後や翌朝、自分で脱水気味だと感じたときは、病気のときなどに重宝する「経口補水液」もおすすめです。水分と電解質が素早く吸収できるよう設計された飲料なので、ぜひ活用してください。

おわりに:アルコールから生まれる有害物質の分解には水分が必須!

アルコールを摂取しすぎると、脱水症状を引き起こすことがあります。これは、アルコールによる利尿作用と、アルコール分解そのものに水が使われているという作用によるものです。

とくに、アルコールを摂取したときに発生し、二日酔いの原因にもなる有害物質アセトアルデヒドには注意が必要で、これを分解するために水分が必要となります。お酒を飲むときは、同時に水分と電解質(ナトリウムやカリウム)の摂取を心がけましょう。

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