記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
一般的に「体に良い」と認識されている栄養素の1つに、DHAがあります。マグロやサバなど、魚に多く含まれるとされるDHAは、どんな栄養素なのでしょうか。この記事では、DHAとは何かやその効果、EPAとの違いとともに解説します。
DHAは、主に魚に含まれる油分から精製される栄養素です。マグロをはじめサバ、カツオ、ブリ、イワシなど、一般的に背の青い魚と呼ばれるものに多く含まれており、特に脂ののる旬の時期には含有量が多くなるといわれています。
DHAは、私たちの体の脳、目、子宮、精子などに存在し大切な働きをしていますが、加齢と共に不足する傾向があるため、食事からの積極的な摂取が推奨されています。
DHAとEPAは、どちらも魚の油から精製された「オメガ3系高度不飽和脂肪酸」に分類される栄養素です。人が摂取した場合にも似た作用を起こしますが、厳密には以下のような違いがあります。
私たちがDHAを摂取して得られる主な効果として「学習機能の向上」「がん、アレルギーの抑制」「コレステロール値の減退」の3つが挙げられます。
組織の原料となるDHAには、脳細胞を柔らかくし、情報の伝達性を上げて脳細胞を活性化せる効果が期待できます。知識を吸収しやすい子供をはじめ、成人や老人が摂取した場合にも、脳の学習や記憶機能の向上に有効とされています。
DHAには、体内での発がん物質の生成を抑制したり、特定物質にアレルギー反応を引き起こすPAF(酵素の一種)が作られるのを阻害する働きがあるとされます。このため、DHAには乳がんや大腸がん、そして花粉や食べ物に対してアレルギー反応を起こすことを抑制する作用もあると言われています。
DHAには動脈硬化や脳卒中、心臓発作など、血中の悪玉コレステロール値が増えることで引き起こされる病気を予防する効果も期待できます。
DHAを摂りすぎると、血液が固まりにくくなって出血が止まらなくなったり、皮膚に滲出性紅斑(しんしゅつせいこうはん)という発疹が現れることがあります。食事に加え、サプリメントでもDHAを摂取すると摂りすぎになってしまう恐れがあります。1日の摂取量は、最大3gまでにとどめましょう。
マグロやカツオ、サバなど青背の魚に多く含まれるDHAは、EPAと同じくオメガ3系高度不飽和脂肪酸に分類される栄養素です。脳や体の組織を作る原料となり、積極的に摂取することで脳の学習機能向上やがん、アレルギーの予防、コレステロール値の降下作用が期待できます。ただし、過剰に摂取すると血が止まらなくなったり、皮膚に発疹が出たりすることもありますので、食べすぎには十分注意しましょう。