食中毒は秋もなりやすいって本当?どうすれば予防できるの?

2019/9/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

食中毒は、暑い時期に最も多く発生すると思われがちです。しかし秋にも発症するリスクが高いといわれています。そこで今回は、秋に食中毒を起こす原因となる菌や予防法などをご紹介します。

秋の食中毒、意外と多いって本当?

一年を通して最も多く食中毒が発生する時期は、9~10月といわれています。この時期は夏の暑さが残っていることで夏バテを長引かせ、免疫力が落ちているためと考えられています。また、秋の気温の低下に体が適応できずに体調を崩しやすい時期でもあります。

また、運動会やキャンプなど、秋はさまざまな野外イベントが多くなる季節です。その際、加熱の足りない食材が食中毒の原因菌となる場合があり、発症のリスクを高めると考えられます。また、気温や湿度が高いまま時間が経つと、お弁当の中で雑菌が増えることも原因のひとつです。

秋の食中毒を引き起こす原因となるものは?

食中毒の原因となる菌として、主に以下のようなものが考えられます。

サルモネラ菌

主な原因は生卵や食肉で、夏から秋に多く発生し、潜伏期間は半日~3日程度といわれています。また加熱が不十分の場合には、発症リスクが高まります。犬や猫などから感染することもあるため、触った後などは手を洗うようにしましょう。

腸管出血性大腸菌

O-157などの腸管出血性大腸菌が食中毒の原因となる菌です。大腸菌は人の腸内、家畜に存在しているため、ほとんど無害なことが知られています。しかし溶血性尿毒症症候群や出血がみられる腸炎を引き起こす場合に、腸管出血性大腸菌と呼ばれています。加熱が不十分、または生の食肉が主な原因で、潜伏期間は2~8日程度といわれています。

ウェルシュ菌

カレーやスープ、シチューなどの煮込み料理が原因となる場合が多く、無酸素状態でも増殖する菌です。潜伏期間は6~18時間程度といわれています。鍋に入れたまま常温での放置は避け、冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。

カンピロバクター菌

鶏や牛、豚など多くの動物がもっている菌で、潜伏期間は2~5日程度です。中でも多く存在するものが鶏といわれるため、十分に加熱調理するようにしましょう。

腸炎ビブリオ菌

主に魚介類が原因とされ、潜伏期間は6~12時間程度です。生魚や貝などを調理後に、調理器具などを介して他の食品が汚染された場合にも食中毒が発生するといわれています。

自然毒

フグの食中毒を起こした場合には死亡する確率が高いため、家庭での調理は大変危険です。またキノコは、テングタケ、クサウラベニタケ、ツキヨタケなどには注意しましょう。またキノコ狩りで採ったものも、安全なもの以外は食べないでください。

秋の食中毒を予防するには?

食中毒を予防するためには、主に以下のような「つけない」「増やさない」「やっつける」などの工夫が考えられます。

つけない(手や調理器具を洗う)

手にはさまざまな雑菌が付着しています。細菌が食材につかないように、調理前に手をしっかりと洗うことが食中毒を予防する基本です。また調理で使った包丁やまな板などは、その都度きちんと洗うこと覚えておきましょう。肉や魚など、食材ごとに分けて調理器具を使うことも食中毒の発症を抑えるためには効果的です。

増やさない(低温で保存する)

夏から秋にかけての気温や湿度が高い時期に、細菌は増殖が活発となります。ただし、10℃以下になるとそのスピードは落ち、マイナス15℃以下になると増殖がストップするといわれています。鮮魚や生肉を購入したら、可能な限りすぐに冷蔵庫にしまいましょう。また調理済の料理も常温保存ではなく、冷蔵庫などを活用して菌を増やさないようにしましょう。

やっつける(十分な加熱調理をする)

食中毒の原因となる菌は、たいていの場合、加熱することで撃退することができます。特に肉料理は中心部を75℃以上で1分ほど加熱するようにしましょう。また、まな板や包丁なども洗った後に熱湯殺菌するとより安心できるといわれています。

おわりに:つけない、増やさない、やっつけるを守り、食中毒を予防しよう

食中毒を引き起こす可能性のある菌には、カンピロバクター菌やウェルシュ菌などさまざまなものが考えられます。十分な加熱調理をする、低温で保存するなど普段から気をつけて食中毒を予防しましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

食中毒(63) カンピロバクター(14) 腸管出血性大腸菌(8) サルモネラ菌(5) 腸炎ビブリオ(4) ウェルシュ菌(2) 秋の食中毒(1) O-157(1)