記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
引っ越しや建て替え、家具の新調のあとに「なんだか体の調子が悪いなぁ」と感じたことはありませんか? そんなシックハウス症候群の原因のひとつと考えられているのが、ホルムアルデヒドです。この記事では、ホルムアルデヒドとは何か、どんなものに含まれているかなど注意点や対処法について紹介します。
住宅の構造や建材などに含まれる物質を原因として、さまざまな不調が引き起こされる状態をシックハウス症候群といいます。シックハウス症候群の原因のひとつとされるのが、ホルムアルデヒドです。ホルムアルデヒドは化学物質で、家具、建築資材、壁紙を貼りつける接着剤などに含まれます。ホルムアルデヒドが家具などに含まれている場合、少しずつ室内に拡散されていきます。徐々に拡散されたホルムアルデヒドは、下記のような症状を引き起こします。
日本では、国がホルムアルデヒドに関する指針や法律を定め、健康被害を抑制しようとしています。上記のように厚生労働省が指針を定めているほか、国土交通省が平成12年に住宅性能表示制度を設け、要望すれば建物の建設時にホルムアルデヒドの室内濃度を確認できるようになりました。平成15年には建築基準法が改正され、ホルムアルデヒドを発する建築資材などの使用制限や建築物の換気設備装置義務などが定められました。
ホルムアルデヒドを含むものを紹介します。ホルムアルデヒドは無色で水に溶けやすい性質を持っています。主に合成樹脂、接着剤、塗料の原料に含まれていることが多いです。そのため、普段の生活のなかでホルムアルデヒドを含むものはとても身近にあるといえます。
通常、塗料や接着剤などに使用されるホルムアルデヒドの濃度は人体に影響がないレベルに薄められています。ところが、ホルムアルデヒドを多く使用しているものや、ホルムアルデヒドを含むものに多く囲まれる生活をしていると、不調を感じる場合があります。ホルムアルデヒドの濃度によって、その程度は変わります。
辛い症状を和らげるために、取り入れたい対策を紹介します。
部屋の中に拡散したホルムアルデヒドを、こまめに室外に出しましょう。窓を閉め切りがちな季節も注意してください。
より高い換気効果を得るためにベイクアウトという方法があります。ベイクアウトには準備と手順があります。
ベイクアウトでは高い換気効果が発揮されます。多くのホルムアルデヒドの放出に効果的ではありますが、接着剤に含まれるホルムアルデヒドの放出には効果があまり期待できません。
ホルムアルデヒドの除去は簡単ではありません。症状が辛い場合は、買い替えやリフォーム、引っ越しなどを検討してみるのもおすすめです。
シックハウス症候群と思われる症状があらわれたら、病院を受診して検査を受けてください。シックハウス症候群を放置すると、化学物質過敏症を発症する恐れがあります。シックハウス症候群診断科がある病院、アレルギー科、耳鼻科咽喉科などに相談しましょう。
ホルムアルデヒドを含むものは建築資材、家具、衣服など日常生活で身近なものばかりです。刺激を感じる匂いや目や喉の不調を感じたら、換気などの対策をとってみてください。症状が悪化する前に病院を受診し、原因を特定するようにしましょう。