記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/6/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
RSウイルス感染症は、RSウイルスによって起こる呼吸器の感染症です。発熱、鼻水、咳など、かぜに似た症状で始まることが多く、年齢や体調によって経過には個人差があります。RSウイルスは年齢を問わず何度も感染を繰り返すとされ、乳幼児だけでなく大人も感染します。厚生労働省では、生後1歳までに50パーセント以上、2歳までにほぼすべての子どもが少なくとも一度は感染するとされています。多くは軽い症状で回復しますが、初めて感染する乳幼児、とくに生後6か月以内の赤ちゃんでは、細気管支炎や肺炎につながることがあります。また、高齢者や慢性呼吸器疾患、心疾患、免疫機能の低下がある人では、気管支炎や肺炎などにつながることがあるため、家族全体で体調の変化を見守ることが大切です。
RSウイルス感染症では、発熱や鼻水が数日続いた後に咳が目立ってくることがあります。子どもは自分の苦しさを言葉でうまく伝えられないため、食事や水分がとれているか、眠れているか、機嫌が大きく悪くなっていないかを見ます。乳児では、哺乳量がいつもの半分以下になっていないか、呼吸のたびに胸やみぞおちがへこまないか、顔色や唇の色が悪くないかも確認します。大人では、鼻水、咳、のどの痛み、発熱などのかぜ症状で済むことが多いとされていますが、高齢者では発熱が目立たず、食欲低下、強いだるさ、息切れ、会話量の減少、ぼんやりする様子などで気づくことがあります。熱の高さだけで判断せず、呼吸、食事や水分の量、普段との違いを合わせて見ることがポイントです。
家庭では、子どもも大人も、楽に呼吸できる環境を整え、体力を消耗しすぎないようにすることが中心になります。子どもでは、鼻づまりが哺乳や睡眠を妨げることがあるため、鼻水をやさしく取り除き、室内が乾燥しすぎないようにします。水分は一度に多く与えるより、少量ずつこまめにすすめると吐きにくくなります。咳があるときは横になると苦しそうに見えることもあるため、抱っこや上体を少し起こした姿勢で楽になることがあります。大人の場合も、睡眠と水分を確保し、咳や発熱で体力を消耗している間は無理な外出や運動を控えます。持病の薬を使っている人、市販薬を使いたい人、妊娠中の人は、薬の飲み合わせや使える薬が限られることがあるため、医師や薬剤師に相談すると安心です。
子どもでは、呼吸が速い、胸やのどの下がへこむ、苦しくて横になれない、顔色や唇の色が青紫色に見える、呼びかけへの反応が弱いといった変化があるときは、早めに医療機関へ相談してください。哺乳や水分がほとんどとれない、尿が少ない、ぐったりしている場合も、脱水や呼吸状態の悪化が心配されます。大人では、息切れが強い、少し動くだけで苦しい、胸の痛みがある、会話が続かない、意識がぼんやりする、食事や水分がとれない場合は受診を検討します。高齢者、慢性閉塞性肺疾患や喘息などの慢性呼吸器疾患がある人、心疾患がある人、免疫機能が低下している人は、症状が軽そうに見えても急に悪化することがあります。迷う場合は、かかりつけ医や救急相談に連絡し、受診のタイミングを確認しましょう。
RSウイルスは、咳やくしゃみのしぶき、ウイルスが付いた手や物を介して広がるとされています。家庭では、手洗い、咳エチケット、よく触る場所の清掃を続けましょう。きょうだいや家族にかぜ症状があるときは、乳児や高齢者、基礎疾患のある人との近い接触をできる範囲で控え、タオルや食器の共有を避けます。介護が必要な人がいる家庭では、介助の前後の手洗い、マスクの使用、換気、ドアノブや手すりの清掃を意識します。保育園や学校、介護施設へ戻る時期は、熱だけでなく、咳、食欲、全身状態、周囲への感染リスクも含めて、施設や医師と相談します。RSウイルス感染症は一度かかれば終わりではなく、再感染することがあります。過度に怖がる必要はありませんが、乳幼児、高齢者、持病のある人がいる家庭では、普段との違いを早めに見つけ、無理をさせないことが大切です。