手足口病でプールに入れても大丈夫?入っていいのはいつから?

2023/7/12

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

お子さんに口の中や手足の水ぶくれなど、手足口病の症状が見られた場合、プールに入れても大丈夫なのでしょうか?感染のリスクやプールに入ってもいい時期について解説します。

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手足口病の症状の特徴は?

手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどへの感染で起こる感染症の一種です。おもに5〜8月の夏季に流行し、感染・発症する人の約8割が0〜5歳までの乳幼児であるとされることから、子どもが夏季にかかりやすい感染症として広く認知されています。

感染すると3〜5日間の潜伏期間を経て発症し、手と足の裏表、口の中を中心におしりや背中の水疱状または赤い発疹、38度前後までの発熱などの症状が出ます。

症状の出方や重症度には個人差がありますが、口の中にできた発疹は口内炎や潰瘍になりやすく、痛みを起こしやすいという特徴があります。通常、上記のような症状は発症から1週間程度でおさまりますが、髄膜までウイルスが入り込むと、ごくまれに脳炎や髄膜炎などの合併症を起こすこともあるので注意が必要です。

手足口病のとき、プールに入れても大丈夫?

プールそのものによって周囲に感染が広がる可能性は低いですが、手足口病の疑いのある子どもをプールに入れるのは、避けたほうがいいでしょう。これは、手足口病の水泡状の発疹のなかにウイルスが含まれた体液が入っているためで、子ども同士の肌の触れ合いなどによって水疱がつぶれると、接触感染の原因となる可能性があるためです。

また、プール上がりに手足口病の子どもの身体を拭いたときに水疱がつぶれ、そのとき使ったタオルを共有して接触感染が広がる可能性もあります。感染拡大と、幼稚園や保育園での保護者同士のトラブルを避けるためにも、手足口病の子どもをプールに入れるのは避けましょう。

プールに入れていいのはいつから?

手足口病の原因となるウイルスは、症状が治まった後もしばらくは体内に残っているといわれています。手足口病になった子どもをプールに入れていいのは、早くても全身の症状が治まり、発疹が治って感染拡大のリスクがかなり低くなってから、と覚えておきましょう。

期間としては発症から約1か月後が目安ですが、明確なプールの再開時期については、かかりつけの小児科医や幼稚園・保育園の先生と相談して決定してください。

どうすれば周囲への感染を予防できる?

手足口病は、0歳児から大人まですべての人に感染するリスクがあります。予防するためのワクチンはないため、以下の感染経路と感染予防対策を理解したうえで、実践することが大切です。

飛沫感染
咳やくしゃみによる飛沫を吸い込むことによる感染
接触感染
体液や、体液が付着した物品に触れることによる感染
糞口感染
糞便など排泄物から感染する

上記3経路からの感染を予防するため、以下に予防対策を実践しましょう。

マスクの着用

マスクの着用は飛沫感染の予防に役立ちます。手足口病など、感染症が疑われる症状に気づいたときは、周囲への感染を予防するため着用することをおすすめします。

手洗い

手足口病を含む感染症の接触感染の予防には、こまめに石けんを使って手洗いがおすすめです。子どもたちはもちろん、幼稚園・保育園の職員、親などの家族も、流水と石けんでの手洗いを徹底してください。

排泄物の処理

症状が治まった後も、手足口病の原因ウイルスは排泄物の中に含まれているといわれています。糞口感染予防のため、おむつ替えなどで出た排泄物は密封してすぐに処分し、処理後は必ず石けんで手洗いするなど、衛生管理を徹底しましょう。

物を共有しない

前述したタオルの共有など、感染者が濃厚接触した物を共有することで、手足口病の感染につながることもあります。感染した人が使った物の共有は、可能な限り避けましょう。子どもの集団間においては衛生観念を浸透させることが難しい側面もあるため、周囲の大人がしっかり管理してあげるようにしてください。

おわりに:手足口病の疑いがあるときはプールはNG!再開のタイミングは、医師や幼稚園・保育園の先生に相談を

プールに入ることそのものによるリスクは低いですが、子ども同士での触れ合いや、タオルなどの共有によって感染が拡大する可能性があるため、手足口病になったときはプールに入ることを避けましょう。最低でも、すべての発疹が治まるまでは入ってはいけないと認識しておき、詳しいプールの再開時期については、小児科医の判断や、登園している幼稚園・保育園の先生に方針を確認してから決めてください。

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