記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
すべてのストレスが体の不具合の原因になるわけでなく、ストレスの中にはより多くの力を発揮できるようにしてくれるものもあります。体に良いストレスと悪いストレスのことを理解しながら、ストレスと上手く付き合っていく方法について学んでいきましょう。
ストレスは人それぞれ異なります。自分にとってはストレスで参ってしまうことでも、他人にとってはストレスにならないこともあれば、その逆の場合もあります。その人によりますが、ストレスを受けると体の中ではそれに対する反応が起こります。ストレスに対する反応は原始時代から存在し、ストレスに反応して体を戦闘や逃避に向けて調整するための仕組みであり生存には役立つ仕組みであったと考えられています。昔は生きるために役立つものでしたが、現在の過剰なストレス社会では逆に健康を害してしまっているというわけです。
ストレス反応では心拍数や呼吸数を上昇させたり、発汗量を促したり、筋肉を緊張させたり、体中に活力を与えたりなど、ホルモン、呼吸、心血管、および神経系に作用し体に変化を起こします。
以下に様々なストレスのタイプと原因を紹介していきます。
短期間のストレスは、誰もが感じることがあるのではないでしょうか。この短期間のストレスについては、通常心配するものではないと考えられてます。短期間のストレスとは、プロジェクトを提出する必要があるときや、グループのメンバーの前で話をしなければならないときに感じるストレスです。おそらく、不安で落ち着かない感じがしたり、手のひらに汗をかいたりしているかもしれません。このような肯定的なストレス要因は短時間のもので、厳しい状況を乗り越えやすくするために起こる反応です。
時々、否定的な感情が大きなストレスになることがあります。心配、怒り、恐れ、または不満などです。このようなストレスは体に悪影響を与えることが多く、長期的には重大な問題を引き起こす可能性もあります。ストレスはすべての人に様々な影響を及ぼしますが、悪影響を及ぼす可能性がある一般的なストレス要因として、以下のようなものがあります。
・いじめられている
・仕事が厳しすぎる
・失業する
・結婚や夫婦関係の問題
・離婚
・家族の死
・学校になじめない
・家族の問題
・多忙なスケジュール
・引越し
・居住地域の長期的な騒音
・金銭的な問題
・健康的な問題
・介護の問題
・信念や価値観の衝突
ストレスの悪循環が長引き慢性化している場合、身体的、精神的、感情的な健康面に悪影響を及ぼすことがあります。慢性的なストレスの警告サインに気づくことができると、ストレスに対処できるようになるでしょう。慢性的なストレスの症状として、以下のようなものがあります。
・頭痛
・睡眠不足、または睡眠過多
・筋肉の痛みや緊張
・消化器のトラブル
・性欲の変化
・高血圧
・物事を終わらせることができないという感覚
・気分障害
・不安
・落ち着きがない
・モチベーションが沸かない
・怒りっぽい
・悲しさ、もしくは抑うつ状態
強姦、自然災害、戦争といった、生命を脅かすまたは外傷を負った事態に直面した場合、ストレスに対処するためのサポートが必要な場合があります。これらの出来事によって、急性ストレス障害もしくは外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす恐れがあります。
非常に多くのストレスに対処しなければならないと感じている場合やもうこれ以上対処できないと思うときは、専門家に助けを求めるようにしましょう。自分が経験していることがストレスなのか、不安障害なのかを医師に確認してもらうことが大切です。また、医師からメンタルヘルスの専門家を紹介してもらえる場合もあります。ストレス過負荷の兆候は次のとおりです。
・パニック発作
・ずっと心配している
・常にプレッシャーを感じている
・ストレスに対処するためにお酒や薬に頼っている
・過食
・喫煙
・うつ病
・家族や友人から離れる
ストレスが原因で自分や他人を傷つけることを考えるようになったら、すぐに病院を受診しましょう。
短期的なストレスは、厳しい状況を乗り越える助けになるものなので、特に気にすることはないでしょう。しかし、長期的にストレスを感じている、または、過度にストレスがかかりすぎる場合は、心身に悪影響を及ぼす場合があります。もし、そのようなストレスを感じている場合は医師に相談することをおすすめします。