記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/15
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
子どもは大人よりもボキャブラリーが少ないぶん、とにかく言葉がストレート。特に、容姿に対してその傾向が顕著で、“デブ!”“チビ!”“ブス!”“ハゲ!と、心ない言葉を平然と使います。そして、回りの子どもに対して、平気でからかいます。もし、自分の子どもが、そんな言葉で傷ついていたら...
「小学校に入学した娘がいじめられているようです。幼稚園の頃は明るかったんですが、入学後しばらくして、太っている、とからかわれていると、娘が泣いて話してきました。親として、そんな事ないよ、別に太ってないよ、と慰めました。その後は、何事もないようで安心していたんですが、実は、ずっと馬鹿にされていたようです。
夕食の時、いきなり、「もう食べない」って、泣いて、何も口にしようとしなかったんです。驚いてて娘に話をさせてみたら、男の子にも、女の子にも、悪口を言われ、毎日馬鹿にされて、時には暴力も振るわれていると言うんです。ショックで、パニックになりました。まさか、自分の子がいじめの被害者になるなんて…
先生に報告すべきだったのか、とか、転校させることとか、そして、親として娘を太らせてしまった責任について、考えています。娘の肥満はどうすればいいんでしょう?食事は好きだけ食べさせてしまいます。量が足りないとぐずるので。」
「中学生の息子は、肥満で太っているため運動が苦手です。中学生の男子で運動が不得意ならどうなるか?女性はともかく、男性なら想像がつきますよね。
個人競技であれば、馬鹿にされて笑われるだけで済むんですが、団体競技になると、仲間に入れてもらえなかったり、仲間外れにされて辛い思いを味合わなければならなくなります。同じチームになればなったで、“お前が同じチームなんて…”“足、引っ張んなよ”“邪魔すんなよ”とプレッシャーをかけられまくります。
小学校の時の運動会で、全員参加のリレーなどという、行き過ぎた平等教育のせいで、足の遅い息子がリレーメンバーになり、結果、息子のせいでチームが負け、冷たい視線と罵声を浴びせられて耐える息子の姿を見るのは、父親としても辛いものがありました。
自分も運動が苦手でいじめられました。そのためか、運動は嫌いで、息子にも全然運動させませんでした。親を見て真似てしまったんでしょうか?ゲームで遊ばせてきました。自分は息子のためにどうしたらいいんでしょうか?」
「小学4年生の太っている息子がいます。そして気が弱いのでよくいじめられます。殴られたり、蹴られたりもしています。けなげに耐えている息子が不憫で、母親として耐えられず、学校に相談しました。先生は話をよく聞いてくれて、いじめっ子達と話し合いをしてくれました。おかげでいじめはなくなったようですが、運動は不得意なので体育が特に嫌いなようで、学校に行きたくないと言うようになりました。
そのストレスのせいなのか、過食気味で、太りすぎになっているような気がします。偏食気味で脂っこいものや甘いものばかり食べています。ストレス解消になるなら、と大目に見てしまっています。息子に自信を持たせてあげたいと思っています。そうすれば、痩せることにもなるんじゃないかって。でも、どうするのがいいのかよくわかりません。子供に自信をもたせる方法を教えて下さい。」
肥満が原因でイジメられるわが子・・・、そんなことを想像する前にちょっと考えてみてください。
子どもの肥満、太りすぎに関しては、親の責任がかなり大きいです。
親の提供する食事、環境、しつけによって、子供は太るということを肝に銘じてください。
責任が大きいということは、親としてできることがたくさんあるということです。