シンスプリントの特徴と予防対策について

2025/7/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

シンスプリントは、サッカー・陸上競技など、走ることが多いスポーツをやっている人に発生しやすいスポーツ障害です。プロ選手や経験豊富な人は発症数が少なく、運動に慣れていない人に起こりやすい傾向にあります。この記事では、シンスプリントの症状と原因の特徴と、発症・悪化を予防するためにできる対策について解説していきます。

シンスプリントの症状の特徴

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は脛(すね)の内側に痛みが現れ、痛みはおもに下腿の内側にある脛骨の下方1/3あたりに現れます。運動中や運動した後にズキズキするような痛みが起こり、痛みをガマンして運動を続けると、悪化して走れなくなったり、ひどい場合には歩いたり立ち上がったりすることもできなくなり、何もしていない状態でも痛みが続くこともあります。重症化すると治癒までに時間がかかるようになり、疲労骨折を起こし、しばらく運動できない状態に陥ることもあります。

シンスプリントの原因

シンスプリントは、ランニング・ジャンプ・ダッシュなどの運動をしたときに脛骨(すねの骨)に付着する筋肉「ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋」に過度の衝撃が加わることが原因であり、痛み・不快感などの症状は、運動時の衝撃で脛骨の骨膜(脛骨を覆っている膜)にストレスが加わることで誘発されます。

シンスプリントは扁平足の人・扁平足気味の人に多いといわれていますが、アーチがない人の足は運動時の衝撃を吸収しにくく、足にかかる負担が大きくなりやすいことが関係していると考えられています。また、体重が重い人・筋肉や関節の柔軟性が乏しい人・股関節や膝関節のアライメントが崩れている人は、運動時の負荷が脚へかかりやすいため、シンスプリントにもなりやすいといわれています。ただし、シンスプリントのおもな原因は過剰な運動による下腿への負担のため、上記のような特徴がない人にもリスクはあります。急に練習量が増加したり、運動の環境が変化したり、フォームが乱れたりしたときは注意しましょう。

原因になりやすい運動

シンスプリントは「走ることが多い運動」「ジャンプすることが多い運動」が原因になりやすく、以下のような足・脚をよく使う運動が原因になりやすいです。

  • 陸上(とくに長距離)
  • サッカー
  • バスケットボール
  • バレーボール
  • テニス など

シンスプリントの予防・回復のための対策

シンスプリントの発症と悪化・慢性化を防ぐためには、以下の予防対策と回復を促す対策が大切になってきます。

予防対策

シンスプリントの発症を予防するためには、以下を心がけることをおすすめします。

運動量・時間・負荷の管理

運動量が過度に増加したり、負荷が過度に強すぎたりすると、筋肉に負担がかかりシンスプリントが起こりやすくなります。運動の量・時間とトレーニングの負荷は適切に管理し、「もう少し大丈夫」と思っても、安易に運動・トレーニングを追加しないようにしてください。管理方法やスケジュールの作成方法に不安がある場合は、トレーナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

適切なシューズ・靴を使用

スポーツでは、シューズ・靴も重要な競技道具です。適切なシューズ・靴を使用することは、パフォーマンスを高めることにつながり、体への負担を軽減することにも役立ちます。とくに、足・脚の負担が原因になるシンスプリントでは、適切なシューズ・靴を使用することが重要になってきます。サイズ・形状・クッショニング・アッパーのフィット感・重心移動のスムーズさなどを、実際に履いて試してから購入しましょう。競技ごとで適したシューズ・靴が違ってくるため、基本的にはシューズショップのスタッフやシューフィッター、トレーナーなどに相談することをおすすめします。

ウォーミングアップ・クールダウン

ウォーミングアップを行うことで筋肉・関節の柔軟性が向上し、運動時の動作も安定し、スムーズに行えるようになります。クールダウンを行うことで、運動時に緊張した筋肉をリラックスさせ、血流を促すことで疲労回復を助けます。ウォーミングアップ・クールダウンを適切に行うことは、足・脚にかかる負担を軽減し、負担がかかった部位の回復を促すことができるため、シンスプリントの予防に役立ちます。

適切な筋力トレーニング

無理なトレーニングは厳禁ですが、適切なトレーニングで競技に適した筋肉をつくることは大切です。足・脚への負担を軽減できるように、しなやかで強い筋肉をつくるトレーニングが必要になってきますが、競技・目的・体質・体格・年齢・性別などにより、適したトレーニング方法は変わってきます。トレーナーなどに相談しながら、適切な方法でトレーニングをしましょう

回復を促す対策

シンスプリントを発症したときは、以下の対策で悪化を防ぎ、回復を促すことが大切になってきます。

安静にする・運動量を少なくする

シンスプリントの痛みが現れたときは、運動量を少なくしたり、足・脚の筋肉を動かさないようにしたりして、患部を休ませましょう。何もしなくても痛みがある場合や歩くだけでも痛みがある場合などには、運動自体をお休みして、安静に過ごすことをおすすめします。運動再開時は、運動量・運動の負荷を段階的に高めるようにしてください。

痛みを抑える

急性期は、鎮痛薬・湿布薬で痛みを抑えることで回復を促します。基本的には整形外科を受診し、適切な治療薬を処方してもらいましょう。また、患部をアイシングして炎症を抑えることも、痛みの抑制につながります。

マッサージ

使いすぎた筋肉をマッサージすることは、シンスプリントの予防につながり、回復を促すことにも役立ちます。ただし、急性期にマッサージすると痛みが悪化する場合があるため、必ず医師・理学療法士などに相談してから行いましょう。

おわりに:運動する人はシンスプリントの対策が大切。痛みがあるときはきちんと休もう

シンスプリントは、強い負荷で長時間トレーニングしている人だけでなく、運動量が比較的少ない初心者の人でも起こる可能性があります。運動している人やこれから運動を始める人は、ウォーミングアップやストレッチ、適切なトレーニングなど、予防対策を取り入れてシンスプリントを予防しましょう。また、シンスプリントが悪化・慢性化すると、日常生活にも支障が起こる可能性があります。痛みがあるときは無理をせず、必要であればきちんと休むようにしてください。

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