粉瘤(アテローム)

2017/10/17

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

粉瘤(アテローム)とは、何らかの原因で皮膚の下にふくろが出来てその中に老廃物が溜まり、しこりになった状態です。背中、胸、おしり、脇など体の様々な部位にできます。時々ふくろの中に細菌が感染して、赤く腫れ、痛くなり、臭い膿が出てくることがあります。

自然に治ることがなく、また感染を繰り返すため、手術で摘出することをお勧めします。

症状

粉瘤(アテローム)では、皮膚の真下にしこりができます。最初は小さく、症状もないため気付くことは少ないです。その後次第に大きくなり、数cmにまで大きくなります。しこりの中心に黒い点があることが特徴的で、にきびや脂肪腫と見分けるポイントになります。粉瘤は感染しない限りは、痛みもなく、悪さをしません。

一度感染すると、赤く腫れて、痛みや臭い膿が出てきます。膿の臭いがとても強いことが特徴的です。

診断

粉瘤は基本的には、問診と皮膚の観察で診断されます。脂肪腫という皮膚の下にできる脂肪のかたまりや、ニキビと間違えることもあるので、皮膚科の医師による診断が適切です。

治療

粉瘤は手術で袋ごと摘出します。局所麻酔なので、入院する必要もなく、数十分で終わります。

粉瘤ができた場所や大きさ、感染の有無などにより、手術の方法や時期が異なるので、一度医師の診察を受けてみてください。

感染している場合は、膿を出す治療や抗菌薬の飲み薬、塗り薬が使われたりします。

生活・自宅で気をつけること

・粉瘤は皮膚があれば、体の色んな場所にできる可能性があります。多いのは頭、顔、背中、おしりです。それ以外にも胸、お腹、手足にできることもあります。

・粉瘤が顔にできると、ニキビと見分けるのが難しいこともあります。粉瘤の特徴として、皮膚の下にしこりがあること、真ん中に小さな黒い点があることがあります。また粉瘤は10cmを超えて大きくなることもあり、通常のニキビより大きい場合は粉瘤の可能性があります。気になった場合は皮膚科を受診しましょう。

・粉瘤ができても、自分で潰すことは避けてください。細菌が入り込んで、感染してしまう可能性があります。一度感染すると、その後医療機関に行って治療をしても、傷跡が綺麗に消えにくくなります。

・粉瘤は自然に治ることはないです。むしろ時間が経つにつれ、次第に大きくなっていきます。外見上目立たない場所であれば、感染しない限りは症状がないのですが、早めに皮膚科や形成外科に行って摘出してもらうことをお勧めします。

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