記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
疲れは誰にでも生じるものですが、ただの疲れではなく、病気が原因になっている可能性があります。こちらの記事では、疲れとはどのような状態なのか、疲労感を伴う疾患などを解説します。
「疲れ」とは、生体三大アラームのひとつとされる、「これ以上無理をしたら大変なことになってしまう」と伝える体からの警報です。つまり、体が限界を超えかけているために疲労感や倦怠感といった症状が現れているのであり、心身が休むことを求めている証拠といえるでしょう。
疲れは肉体的もしくは精神的な負荷によって起こるものです。原因には以下のようなことが挙げられます。
・残業が続く、休みが取れないなどの長時間の労働
・立ち仕事や家事なども含む肉体労働
・激しい運動
・激しい温度差などの環境
・職場などの人間関係のトラブル、人付き合いによるストレス
・心配なことがある
・イライラしたり怒ったりする出来事がある
・食生活の乱れ(栄養不足)
・睡眠不足
・不規則な生活
・運動不足
・長時間日光にあたる(紫外線を浴びる)
疲れたときの症状は体に現れるものばかりではなく、精神的にも様々な不具合が生じます。
・全身倦怠感
体が全体的に重く感じ、だるくなります。
・肩こり
血流が悪くなり、肩がこったり首がこったり腰が痛くなったりします。
・目の疲れ
目の奥が重い感じになり、目だけでなく頭まで痛くなることも珍しくありません。
・食欲低下
何も食べたくない、食べられても少ししか食べられない状態です。
・イライラする
怒りっぽくなり、精神的に余裕がなくなります。
・集中できない
仕事などに集中できず、思考力や記憶力も低下します。
・眠い
しっかり睡眠をとっていても何となく眠い感じがします。
・風邪をひきやすい
風邪をひきやすくなったり風邪などが治りにくくなったりと、抵抗力や免疫力が落ちている状態です。
非常に多くの病気が疲労を引き起こしますが、そのほんの一例を挙げます。
・貧血
鉄分不足などで赤血球やヘモグロビンが減少し、体が酸欠状態になってめまいや立ちくらみ、疲労感、動悸、息切れといった症状が現れます。
・更年期障害
更年期に卵胞ホルモン(エストロゲン)が低下することで、のぼせ、汗、寒気、動悸、疲れやすさなどの自律神経失調症状、イライラや抑うつ、不安感などの精神症状が現れます。
・うつ病
肉体的ストレスや精神的ストレスにより、一日中気分がふさぐ、何をしても楽しくない、眠れない、食欲がないといった状態になります。
・慢性疲労症候群(CFS)
心と体の倦怠感と疲労感が長期間続き、休んでもなかなか回復しない状態です。
・睡眠時無呼吸症候群(SAS)
眠っている間に呼吸が10秒以上停止することが繰り返される状態です。良質な睡眠が取れないことから、日中に疲れや眠気を生じます。
・甲状腺機能低下症
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの減少により、全身の代謝に関わる症状を生じる疾患です。疲労感のほかにむくみや皮膚の乾燥などが現れます。
・ウイルス性肝炎
ウイルスが肝臓に感染し、発熱、黄疸、疲労感などを引き起こします。
ストレス社会ともいわれる現代社会においては、疲れは切っても切り離せないものです。疲れを感じたら、これくらい大丈夫と無理をせずに休むことを習慣付け、病気が疑われるような症状が現れている場合には速やかに受診しましょう。