記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/2 記事改定日: 2019/9/3
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠初期には、食欲が増したりなくなったりしますが、このような変化はなぜ起こるかご存知でしょうか。この記事では、妊娠初期の食欲の増減とともに、対処法も解説します。
妊娠初期にみられるつわりは、食欲にも影響を与えます。気持ち悪くなったり、臭いに敏感になったりして、妊娠前には食べられていたものが食べられなくなる方もいます。その一方で、食欲旺盛になる人もいます。「食べづわり」と言われる、常に食べていなければ気持ち悪くなってしまうという状態になる方もいます。また、特定の食品だけ食べたい、もしくは食べられない、といったこともあります。
食欲が増すのは、妊娠によって女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが増加するためと考えられています。プロゲステロンは、体温を上昇させて妊娠を維持する働きがありますが、プロゲステロンが多く分泌されているときは、血糖値が下がって食欲が増進します。また、脂肪もためこみやすくなります。
一方、食欲不振の要因となる吐き気やむかつきなど、つわりの症状が起こるメカニズムはまだわかっていません。ただ、こちらもやはり女性ホルモンのバランスが変わることが原因のひとつと考えられています。
妊娠初期は、栄養をしっかり摂ることが大切です。そのため、食欲が増すことは悪いことではありません。ただし、体重の増加が著しいときは注意が必要です。妊娠中期以降の体重増加につなげないために、以下に食べ過ぎを防ぐ方法をご紹介します。
赤ちゃんのことを考えると、食欲がなくなってしまうのも心配です。食欲が出ないときは、以下のように対応してみましょう。
「食べなければ」と考えすぎてしまうことが、かえってストレスになってしまうことがあります。妊娠初期は体の変化があって当然の時期です。また、臭いに敏感になり、食の好みも大きく変わることもあります。栄養のあるものを食べようなどと無理をせず、「食べたいと思ったものを食べればいい」くらいの気持ちで過ごしましょう。
食欲増加も食欲不振も、過度になってしまったときは注意が必要です。最近食欲が止まらない、もしくは食欲がなさすぎるなど、気になる症状がみられたら、一度かかりつけの産婦人科に相談しましょう。