記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
特に乳幼児は発症率の高い熱性痙攣。この熱性痙攣が原因で、後遺症が残ることはあるのでしょうか?痙攣を起こしたときの対処法と併せて解説します。
熱性痙攣には単純型と複雑型の2つのタイプがあり、単純型熱性痙攣では脳性麻痺などの後遺症が残る可能性は低いとされていますが、複雑型熱性痙攣の場合は後遺症が残ることがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。
熱性痙攣の70~80%が単純型で、残りの2割ほどが複雑型だとされています。単純型は良性の熱性痙攣で後遺症が残る可能性が低いですが、複雑型はてんかんに移行する可能性があるため、症状に応じて治療が行われます。
そのためにはまず、熱性痙攣のタイプを特定することが必要となり、痙攣の症状・持続時間・回数などを調べて単純型と複雑型かを判断します。
熱性痙攣のほとんどは、後遺症が残らない単純型熱性痙攣ですが、熱性痙攣患者の約3%はてんかんに移行するとされています。
痙攣の持続時間が長い、半身だけ痙攣する、頻繁に痙攣が起こる、1歳未満の始まりに痙攣が起こる、精神運動発達に問題がある、家族内にてんかん患者がいる、などに該当する人は、てんかんへの移行率が高いといわれています。
しかし残念ながら、熱性痙攣からのてんかん移行を予防する方法は未だありません。
熱性痙攣は、数分以内に発作がおさまることが多いですが、中には救急車を呼ぶ必要のある場合や、複雑型の可能性があり検査を受ける必要のある場合もあります。以下の項目を参考にして、必要に応じた対処法を実施するようにしましょう。
小児救急電話相談(#8000)に電話をかけると、お住まいの都道府県の相談窓口につながります。そこで症状の説明をすると、小児科医師や看護師から適切な対処法や病院の行き先などの指示をもらえるので、必要に応じて活用してみましょう。
熱性痙攣には単純型と複雑型の2つのタイプがあり、前者は後遺症が残る可能性は低いものの、複雑型はてんかんに移行する可能性があります。痙攣が長く続く、左右非対称に痙攣が起こるなど、複雑型と疑わしい症状が見られたら、すぐに病院に連れて行くことが大切です。