記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/12 記事改定日: 2019/8/30
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中の運動にはメリットがありますが、とくに水泳はおすすめです。
ここでは、妊娠中の水泳のメリットと、おすすめの水泳メニュー、妊婦さんが泳ぐときの注意点について解説していきます。
妊婦さん自身のためにも、お腹の赤ちゃんのためにも、安全に水泳を楽しむために参考にしてくださいね。
ヨガやウォーキングなど、妊娠中でもできる運動はたくさんありますが、そんな中でも水泳がおすすめな理由について以下で詳しく解説していきます。
水中では体にかかる重力が地上の10分の1になるので、体が軽くなったように感じ、無理なく運動できるので、定期的な運動を続けやすいです。
また、関節にかかる負担が軽くなり、ケガをしにくくなります。
プールに入ると、体液は水圧で細胞組織から静脈に戻され、腎臓で尿として排出されやすくなります。また、水圧で血液循環が促され、下肢に血液がたまりにくくなります。
これらの作用はむくみの改善と血流の改善につながります。
水泳で筋力を維持し、持久力を高めることは、出産が楽になることが期待できます。
水泳には
といったメリットがあります。
妊婦さんは、一般的に妊娠初期や臨月の時期を避ければ、水泳をしてもかまいません。
切迫早産などで医師から安静の指示が出ている場合を除けば、妊娠5~8か月頃に水泳をするのは問題ないのでしょう。
むしろ、水泳は関節に無理な負担をかけずに適度な運動ができるため近年ではマタニティスイミングなども盛んに行われるようになっています。
ただし、無理な水泳は避ける必要があります。お腹の張りや痛み、疲れなどを感じたときは水泳を中止してゆっくり休むようにしましょう。
水泳は妊婦さんへの負荷が少ない安全な運動ではありますが、以下の点には注意しましょう。
急にプールに入るのは、体にとってあまり良くありません。プールにはそっと入るようにしましょう。当然ですが、飛び込みは絶対にしないでください。
お腹の赤ちゃんの成長には酸素が必要です。急激な心拍数の上昇を避けるためにも、きちんと息継ぎをし、呼吸が途切れないようにしてください。
お腹に赤ちゃんがいることで重心の位置が変わっているため、妊婦さんは転びやすい状態です。プールサイドやロッカールームなどの滑りやすい場所を歩くときは特に注意しましょう。
「ほとんど泳いだことがない」という初心者の方から中・上級者の方まで、妊婦さん向けの運動メニューをご紹介します。
始めのうちはできる範囲の楽なメニューから始め、最終的には週に3〜4日、1日30分間の水泳ができるようになることを目指しましょう。
泳ぐときは、息が切れない程度のペースを維持するように心がけてください。
「ただ泳ぐだけだと少しつまらない」という方は、以下のメニューから好きなものを3つ選び、それぞれ10分ずつ行って計30分間運動しましょう。
水泳の中級~上級者の方は、1,500m以上泳いでもかまいません。泳ぎ方にも制限はないので、好きな泳法をえらびましょう。ただし、息切れしないペースで泳ぐことは初心者と変わらないので、息切れしないペースを守るように十分に注意してください。
中級〜上級者の人は、下記のメニューを実践してみましょう。
健康状態にかかわらず、妊婦さんの場合は水泳中に痛みを感じることがあります。もしも水泳中に下記のような症状が出たら、すぐに泳ぐのをやめて病院を受診しましょう。
また、混雑しているプールは感染症や人とぶるかるリスクがあるため、なるべく避けるようにしましょう。
ウォーキングは手軽で効果的な運動ではありますが、身体が重くなった妊婦さんにとっては動きづらいというデメリットがあります。
でも水泳なら、重さが気にならないだけでなく、むくみの改善から出産時のための筋力維持まで期待できます。
安定期に入るまではいずれの運動も無理して行わないほうがよいですが、体調の良いときは、上記でご紹介したメニューを参考に、水泳を始めてみてください。