記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/1/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高温多湿な夏をはじめ、ウイルスによる感染症のリスクは年間を通して存在しています。
どうすればウイルスを除菌し、感染症を効果的に防ぐことができるのでしょうか。
今回はウイルス除菌のための基本とポイントを、代表的なウイルスの流行時期と一緒にご紹介していきます。
ウイルスが原因で起こる感染症の流行時期は、ウイルスの種類によって異なります。日本で定期的に流行する6種類のウイルスの流行時期と流行のピークは、それぞれ以下の通りです。
ウイルスによる感染症を予防するための第一歩は、正しい方法による手洗いです。以下に、ウイルス除去に適した手洗いの具体的な手順をご紹介します。
まずは手を濡らした後に石鹸を手に取り、しっかり泡立てて洗います。手のひらを中心に、指の間や爪、手首のあたりまで泡で洗いましょう。十分に泡が手に行き渡ったら、すすぎのこしのないよう流水で洗い流します。
手をすすぎ終わったら、ハンカチやペーパータオルなど清潔な布・紙で、雑菌繁殖の原因となる水分を残さないよう丁寧にふき取ります。なお、服や髪は雑菌が多く不潔ですので、必ず清潔な布や紙で手を拭くようにしてください。
消毒用のアルコール液には、さまざまな雑菌・ウイルスへの消毒作用が期待できます。
手を洗い終わったらアルコール液を適量取り、蒸発してなくなるまで両手指にしっかりすりこみ、なじませましょう。
ウイルスによる感染症を防ぐには、調理をする人や食べる人の手を清潔にすることはもとより、調理過程でも食中毒予防の対策を取ることが大切です。
以下に、食中毒を防ぐための調理のポイントをご紹介します。
なお食べ終えた後に残った食品は、少量なら保管せず捨ててしまうのが衛生的です。後日食べたいときは、清潔で料理の温度が下がりやすい浅めの皿に移して冷蔵庫で保存し、食べる前に必ずレンジなどで再加熱してください。
嘔吐物には、その症状を引き起こした原因ウイルスが含まれている場合があります。このため嘔吐物などを処理した後には、きちんと手洗いをしたうえで消毒も行い、ウイルスを徹底的に除菌して感染拡大を防がなければなりません。
消毒には熱湯やアルコール液が使われることが多いですが、熱湯が使えない、またアルコール液では消毒効果が得られない場合もあるので、次亜塩素酸ナトリウムがおすすめです。次亜塩素酸ナトリウムは、5~6%程度の濃度で塩素系漂白剤として市販されています。
嘔吐物などに触れた箇所への消毒・除菌用に使用したい場合は、用途にあわせそれぞれ以下の濃度に希釈して使うと良いでしょう。
手すりやドアノブを消毒したい場合は、所定の濃度まで希釈した次亜塩素酸をペーパータオルなどに含ませて拭いたうえ、10分後に水拭きしてください。
床を消毒する場合は、嘔吐物があったところを中心に半径1.8~2.3mの区域に新聞紙などをかぶせ、嘔吐物と同じくらいの量の次亜塩素酸ナトリウムを注ぎます。
嘔吐物と新聞紙を一緒に、ペーパータオルで内側に集めるようにして回収し除去します。そしてもう一度、今度はペーパータオルを床の上に並べて次亜塩素酸ナトリウムをかけ、10分程度漬け置きにしてください。10分後、再び内側へ巻き込むようにしてペーパータオルで拭きとって回収し、仕上げに水拭きをしたら消毒完了です。
このとき、作業は必ず使い捨ての手袋とマスク、エプロンを付けて行い、消毒後に使った嘔吐物・新聞紙・ペーパータオルと一緒に二重のゴミ袋に入れて捨ててください。
日本では年間を通し、インフルエンザやロタウイルス、ノロウイルスなどのウイルス性の感染症が定期的に流行します。これらの感染症を予防するには、手洗いを基本としたウイルスの除菌が効果的です。感染症と食中毒を予防するための適切は手洗い・消毒の方法を理解し、実践することで発症を予防しましょう。特に嘔吐物や排泄物を処理するときは、細心の注意を払って対処してください。