酸性アルコール消毒剤を使うメリットは?使用上の注意点も解説!

2019/9/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アルコール液は、消毒液として一般的に広く認知されていますよね。今回は、アルコール消毒液のなかでも特に消毒作用が強いとされる「酸性アルコール消毒剤」について、使用することのメリットや使い方、使用上の注意点などを解説します。

酸性アルコール消毒剤の特徴は?

アルコールにリン酸を加えて酸性にし、アルコール液よりも高い消毒・殺菌作用を得られる消毒液のことを「酸性アルコール消毒剤」と言います。

通常のアルコール液でも相当種類のウイルス・細菌への消毒作用が期待できますが、一部の種類には十分な効力を発揮できないとされています。しかし、酸性アルコール消毒剤を使えば、通常のアルコール液では十分に消毒できない種類のウイルス・細菌に対しても効果を発揮してくれるのです。

エンベロープウイルスとは

ウイルスはその特徴ごとに、以下2種類に大別できます。

エンベロープウイルス
脂質やタンパク質でできた「エンベロープ」と呼ばれる膜に覆われ、守られているもの。
ノンエンベロープウイルス
エンベロープを持たないもの。

アルコールには、ウイルスのエンベロープに反応して破壊する作用があります。このため、一般的なアルコール消毒剤はエンベロープウイルスには非常に有効ですが、ノンエンベロープウイルスへは消毒作用を発揮できません

しかし酸性アルコール消毒剤なら、エンベロープウイルス・ノンエンベロープウイルスの両方に対して、消毒効果を発揮できるのです。

酸性アルコール消毒剤の使い方は?

酸性アルコール消毒剤の一般的な使い方は、以下の通りです。

  1. 適量の酸性アルコール消毒剤を手のひらに取る
  2. 酸性アルコール消毒剤を指先、手のひらの順になじませていく
  3. 手のひら全体にまでなじませたら、よく擦りこむ
  4. 次に手の甲全体にもなじませ、しっかりと擦りこむ
  5. 最後に指の間、親指にまでしっかり擦りこんで完了

なお使うタイミングとしては食事の前や排泄の後、不特定多数の人が集まる場所への外出時や、公共施設などを使用した後などが挙げられます。特に、インフルエンザなどウイルス性の感染症が蔓延する時期は念入りに行いましょう。

酸性アルコール消毒剤を使うときの注意点は?

酸性アルコール消毒剤を使うときの注意点としては、以下が挙げられます。

酸性アルコール消毒剤は、しっかり手洗いをしてから使う

病原菌の運び屋と呼ばれるほど、私たちの手には普通に生活をしているだけで相当数のウイルスが付着します。ウイルスによる感染症予防の基本は、丁寧な手洗いです。酸性アルコール消毒剤を使用する場合も、あらかじめしっかり手を洗いウイルスを除去する工程が欠かせません。

手洗いをすることで、消毒剤との2段階構造でウイルスによる感染症を防ぐことができます。酸性アルコール消毒剤の作用を高めるためにも、必ず事前に手洗いしてください。

目や口には絶対に入れない

アルコールを主原料とする酸性アルコール消毒剤は、非常に刺激が強い液体です。目や口に直接入らないよう十分に注意し、万が一入ってしまった場合はすぐに洗い流してください。また広範囲に使用するときは、上記の吸入にも注意が必要です。

引火性があるため、火気には絶対に近づけない

酸性アルコール消毒剤には、高い引火性があります。火災や爆発を招く恐れがありますので、絶対に火気を近づけないでください。

皮膚や物を変質させる場合があるので、注意して使用する

体質によっては、同じ部位に長期間使用することで皮膚に炎症が起きたり、合成のゴムや樹脂・光学器具・鏡器具・塗装などを変質させることがあります。酸性アルコール消毒剤を使用するときには、使用する部位・対象にも注意しましょう。

おわりに:酸性アルコール消毒剤は、より多くのウイルスを除去できます

アルコール液にリン酸を加え、その性質を酸性に変えたものが酸性アルコール消毒剤です。さまざまな種類のウイルスに有用であり、アルコール消毒剤で消毒できるエンベロープウイルスに加え、ノンエンベロープウイルスにも消毒作用を発揮します。丁寧に手洗いした後、指先から手のひら・甲・指の間にまでしっかり擦りこむことで、高い消毒作用が期待できるようになります。使用上の注意を守って、効果的に使用しましょう。

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