記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/10/29 記事改定日: 2020/8/20
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頭痛の原因は人によってさまざまですが、近年では年齢・性別を問わず、スマホやPCの見過ぎで頭痛を生じる人が増えているとされます。今回はスマホなどの使い過ぎで起こる頭痛について、なぜ発生するのかその原因や症状、対処法などをまとめてご紹介します。
スマホやパソコンのディスプレイを長時間見続けると、目の神経と肩・首の筋肉が緊張して周囲の血流が悪化し、神経が圧迫されるようになります。このため、スマホやパソコンを長時間利用が「緊張型頭痛」の原因となることがあります。
筋肉と神経の緊張・血流悪化が原因で起こる頭痛を緊張型頭痛といいます。スマホやパソコンの進化により、昼夜を問わずディスプレイを長時間見続ける人が増えてきたことで、このような緊張型頭痛を生じる人もどんどん増えているとされています。
スマホやパソコンの使いすぎによる緊張型頭痛は、日常的に長時間ディスプレイを見ることが習慣化し、かつ運動不足に陥りやすい人に起こる現代病の1つといえます。
緊張型頭痛は、「筋肉の末梢性因子」と「脳幹・大脳などの中枢性因子」のいずれか、または両方が関与することで起こると考えられています。
緊張型頭痛は、末梢性因子と中枢性因子、どちらの関与によっても起こり得る症状です。ただ、基本的には緊張型頭痛のうち発生頻度の少ないものは末梢性因子によるもの、発生頻度が高く慢性的なものは末梢性・中枢性因子の両方が関与して起こるとされています。
緊張型頭痛では、以下のような症状がみられます。
スマホやディスプレイを長時間見続ける習慣があり、上記に当てはまる頭痛症状に悩まされているなら、緊張型頭痛である可能性が高いでしょう。
スマホやパソコンのディスプレイの見過ぎによる緊張型頭痛には、心身をリラックスさせ、筋肉と神経の緊張を緩和させるのが効果的です。具体的には、以下の方法でリラックスや血流改善をはかることが推奨されます。
なお、上記の対策をとっても頭痛が改善されない場合は、薬物療法も検討されます。
心身のリラックスと血行改善のための対策と並行して、医師の指示のもと筋肉の緊張を緩和する筋弛緩剤や鎮痛薬、向精神薬などを使用します。緊張型頭痛の発生頻度が高く、自力で対策しても痛みが軽減されないようなら、病院で薬物治療を受けることも検討してみましょう。
頭痛の原因がスマホとパソコンの長時間使用とわかっている場合は、使用時間を減らしましょう。1日に使用する時間や用途を設定し、なるべく長時間使用しないようにすることをおすすめします。
スマホやパソコンの使用によって頭痛が生じたときは、軽度であればロキソニン®やバファリン®などの一般的な頭痛薬で改善することもあります。
しかし、スマホやパソコンの使用による頭痛は、上述した通り首や肩の筋肉の緊張による緊張型頭痛であるケースが多いとされています。
根本的に頭痛を改善するには、血行を改善して筋肉の緊張をほぐすことが大切です。病院では筋弛緩剤などが処方されますが市販はされていませんので、葛根湯など血行を改善する効果のある漢方薬や肩こりに効くとされるローションなどを使用するのがおすすめです。
スマホやパソコンのディスプレイを見るとき特有の姿勢や長時間の目の酷使は、視神経と肩・首の筋肉の緊張を招き、緊張型頭痛を引き起こすことがあります。入浴や運動で血行を改善することもありますので、セルフケアとして取り入れてみてください。スマホやPCを長時間見る習慣があり頭痛に悩んでいるなら、緊張型頭痛への緩和対策を取ってみましょう。