感染予防には手洗いが効果的!その理由と洗い方を紹介します

2019/10/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

食事前や帰宅後などにしっかり手洗いをしていますか。今回は、手洗いが感染症などの予防に有効な理由や洗い方などをご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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感染症などの予防に手洗いが有効な理由

風邪やインフルエンザなどに感染している人の手には、その原因となる細菌やウイルスが付着している可能性があります。そのため、感染者が手すりやドアノブ、電車やバスのつり革などに触れることで細菌やウイルスが付着し、それに触った人が手を介して目や鼻、口などから細菌やウイルスが体内に入ることで風邪やインフルエンザなどに感染します。

手は日常的にさまざまな場所に触れるため、見た目には汚れていなくても、さまざまな細菌やウイルスなどが付着しやすい部分です。手洗いをする際は外出から帰宅した際や食事前はもちろん、ドアノブや共有のパソコンなど、多くの人たちが触れるようなものを使った後にはできる範囲で行うと、風邪などの感染症を予防する効果が高くなります。

手洗いには2種類ある!それぞれの洗い方は?

手洗いの方法には、以下のように「日常手洗い」と「衛生的手洗い」の2通りあります。

日常手洗い

帰宅後や食事前、トイレ後など日常生活で行う手洗いの方法で、感染症や食中毒の原因となる通過菌の一部や汚れなどを石鹸や流水で洗い流すために行います。石鹸をしっかりと泡立て、手のひらや甲、手のしわに至るまで全体に石鹸をいきわたらせて流水で洗い流します。

正しい手洗いをするには約30秒ほどかかるため、タイマーなどを使って実際にやってみるのもいいでしょう。また親指のまわりや手首、手のしわや指の間などは汚れが残りやすい箇所といわれています。指と指の間を洗うときは両手を組んで行う、手のひらの上にもう片方の指先を置いてこすり洗いをするなど、ひとつひとつの箇所を丁寧に洗うようにしましょう。

衛生的手洗い

主に医療福祉に従事する人や食品を扱っている人などが行うものです。通過菌は感染症や食中毒などの原因となるため、汚れとすべての通過菌を殺菌または除去することを目的としています。

衛生的手洗いでは手や指を介した接触感染を予防し、洗って拭いた後に消毒も行います。衛生的手洗いは主に以下のような方法で行います。

  1. 手と指を流水で濡らし、石鹸などを手にとる
  2. 手のひらと手のひらをこすり合わせて、泡立てる
  3. 手の甲をもう片方の手のひらで包み込むように洗う(両手)
  4. 指を組み、両手を絡めて指の間を洗う(両手)
  5. 親指をもう片方の手で握り、ねじるようにして洗う(両手)
  6. 指先をもう片方の手のひらでこするようにして洗う(両手)
  7. 両手首を丁寧に洗い、流水ですすぐ

手洗い後はハンカチやハンドドライヤーではなく、ペーパータオルで水分を拭くようにしましょう。ハンカチなどは濡れたままになるため、菌が繁殖する原因となります。またハンドドライヤーは機械に残った水分で菌が繁殖する、完全に水分を乾かすのが難しいことなどが考えられます。

手を洗うときの注意点は?

以下に、手を洗うときの注意点をご紹介します。

貴金属などを外す

手を洗う前に、時計や指輪などの貴金属は外しておきましょう。つけたまま手を洗うと、汚れなどを十分に落としきれない可能性があります。

石鹸で丁寧に洗う

洗い足りない部分があると、細菌やウイルスなどが手に残る原因となります。石鹸を使った場合には指先や爪の間など、手のすみずみまで丁寧に洗いましょう。その後、石鹸を十分に洗い流してください。目安は石鹸で約30秒間、洗い流すのに約20秒間です。

お湯の温度が熱いと皮膚に必要な油分も洗い流されるため、手荒れの原因になるだけでなく、荒れた部分に細菌が繁殖しやすくなるといわれています。適度な水温で、丁寧に洗いましょう。

おわりに:丁寧に手を洗うことが、風邪やインフルエンザの感染予防につながります

手には細菌やウイルスなどをはじめ、目に見えない汚れなどがついていると考えられます。時間をかけて丁寧に手を洗い、風邪などの感染症を予防しましょう。

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