ピーエイ配合錠が処方されるのはどんなとき?服用時の注意点は?

2019/10/24

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

体調不良で病院を受診したとき、ピーエイ配合錠という薬を出されることがあります。この記事では、ピーエイ配合錠の効果や副作用、処方されたときに気をつけたいことなどを紹介します。

ピーエイ配合錠はどんなときに処方される薬?

ピーエイ配合錠とは、病院で使用されている非ピリン系の総合風邪薬です。風邪または上気道炎の症状の緩和のために処方されます。対症療法薬のため、風邪の原因であるウイルスに働きかけるものではありません。

ピーエイ配合錠には下記の4種類の有効成分が配合されており、一般的な風邪の症状を抑える効果が期待できます。

サリチルアミド
サリチル酸系の解熱鎮痛成分です。腫れ、痛み、発熱を和らげます。
アセトアミノフェン
解熱鎮痛成分です。安全性が高く、穏やかに作用します。
メチレンジサリチル酸プロメタジン
アレルギー症状を引き起こす体内物質ヒスタミンの働きを抑える成分です。鼻水、くしゃみを和らげます。
カフェイン
風邪症状でみられる頭がぼーっとした症状を和らげます。ほかの成分が持つ鎮痛作用を増強する働きも持ちます。

ピーエイ配合錠で考えられる副作用は?

ピーエイ配合錠で起こる可能性がある副作用をご紹介します。

医師または薬剤師に相談したい副作用
眠気、食欲不振、口の乾燥、過呼吸、発疹、むくみ、鼻炎に似た症状、結膜炎、貧血
薬の使用を中断し、すぐに病院を受診したい副作用
呼吸困難、血管浮腫(目や唇の周囲の腫れ)、じんましん、アナフィラキシーショック、高熱、目の充血、皮膚粘膜のただれ、水疱、動悸、息切れ、発熱、歯ぐきの出血、咳、倦怠感、黄疸

薬を飲んだあとに副作用が出た場合、風邪以外の病気や症状が引き起こされている可能性があります。たとえば喘息発作の誘発、肺炎、再生不良性貧血、血小板減少などを発症することも考えられます。重篤な状態になるおそれがありますので、すみやかに医師に検査してもらいましょう。眠気が起きる可能性を考慮して、服薬後は車の運転などは控えてください

ピーエイ配合錠を飲むときに気をつけるポイントは?

ピーエイ配合錠は既往歴などによって使用に注意が必要ですので、医師と薬剤師に相談してください。使用可能な人でも、飲み合わせに気をつけて用法用量を守ることが大切です。

ピーエイ配合錠を基本的に使用できないケース
  • アスピリン喘息の人(鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことがある)
  • 以前にピーエイ配合錠を使用してかゆみや発疹などアレルギー症状が出た人
  • 消化性潰瘍を発症している人
  • インフルエンザを発症している子供
病状や体調によってピーエイ配合錠を使用出来ないケース
  • 緑内障の人
  • 前立腺肥大症の人
  • 肝臓病の人
  • 高齢者
  • 妊娠中または授乳中の人
避ける薬の飲み合わせ
アセトアミノフェン配合薬の市販の風邪薬、解熱鎮痛薬は、ピーエイ配合錠と同様にアセトアミノフェンが配合されているため、成分が重複しますので併用は避けてください。
相互作用を起こす可能性がある薬
ワルファリン(抗凝固薬)、糖尿病の治療薬、降圧薬、一部の安定剤や抗うつ薬
飲酒
ピーエイ配合錠を飲んでいるときに飲酒すると、眠気やめまいが発生しやすくなります。多量のアルコールは胃や肝臓に影響を及ぼす副作用を強めるおそれがあります。

薬にはさまざまな成分が含まれており、処方された薬の成分を見てもご自身で飲み合わせの危険に気づくことは難しいでしょう。特に、育児や介護で複数の人の体調管理をしている場合、使用したことがある薬や副作用が出た薬をきちんと把握することは簡単ではありません。
そのため、おくすり手帳などで処方された薬の種類や期間などを記録しておくことをおすすめします。記録しておくと、医師や薬剤師に相談もスムーズに進むことが期待されます。

おわりに:効果と副作用をきちんと理解し、用法用量は必ず守りましょう

ピーエイ配合錠には主に風邪症状を和らげる効果がありますが、副作用が出る可能性もあります。薬を飲んだ後に気になる症状があらわれたら、医師や薬剤師に相談しましょう。副作用を放置すると重篤な症状に悪化するおそれがありますので注意してください。

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