アレルギー症状を改善するタリオン®︎ってどんな薬?

2019/11/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

辛いアレルギー症状を抑え、改善する作用のある薬の1つにタリオン®があります。この記事では、タリオン®の作用や特徴、服用時にあたっての注意点や、発現する可能性のある副作用などをまとめました。

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タリオン®︎にはどんな特徴があるの?

タリオン®は花粉症などの季節性、またはハウスダストなどによる通年性のアレルギー症状を抑え、鼻炎・蕁麻疹・湿疹などを改善する効果のあるお薬です。

抗アレルギー薬と呼ばれるもののうち「第2世代抗ヒスタミン薬」に分類され、ヒスタミンH1拮抗薬と呼ばれることもあります。人の体がアレルギー反応を起こすとき、抗原と呼ばれるアレルギーの原因物質に反応して、免疫系細胞からヒスタミンなどの化学物質が分泌されます。ヒスタミンはH1受容体と呼ばれる神経細胞と結びつくことで、皮膚や粘膜のかゆみ、炎症などのアレルギー症状を引き起こします。

タリオン®は、ヒスタミンがH1受容体と結びつくことを防ぎ、体がアレルギー症状を起こさないようにする作用があるのです。即効性が高く薬効の持続時間が長いこと、また、第1世代と呼ばれる抗アレルギー薬に比べ眠気などの副作用が出にくいことから、抗アレルギー薬として幅広く使われています。服用後まもなく、特に鼻水・くしゃみなどの鼻炎症状に効果を表し、目や皮膚のかゆみも軽減してくれるのが特徴です。

タリオン®︎服用時にみられる副作用は?

タリオン®の服用中に起こり得る副作用としては、以下が挙げられます。

  • 口の渇き、吐き気
  • 眠気、倦怠感、頭痛、頭重感
  • 皮膚の発疹やかゆみ
  • 肝機能値の異常、肝機能障害

タリオン®は他の抗アレルギー薬に比べ、副作用が軽減されているお薬です。このため深刻な副作用が生じる可能性は極めて低いとされますが、服用が長期にわたる場合は、定期的に肝機能の数値を観察した方がよいでしょう。

タリオン®︎を服用するときに気をつけることは?

以下の条件に当てはまる人は、タリオン®の服用時には注意が必要です。あらかじめ医師・薬剤師に持病や服用中の薬の有無を相談したうえで処方を受け、指示された用法・用量を守って服用してください。

持病やアレルギーがある、またその治療ため飲んでいる薬がある
持病の種類や程度、他の薬との飲み合わせによっては危険な場合があります。
腎臓病の持病がある、または腎臓が悪い
薬の体外への排出が遅れる可能性があるので、低用量での服用開始が推奨されます。
仕事や生活のために、日常的に車の運転や機械操作をする
眠気の副作用が現れる可能性があるため、運転や機械操作には注意が必要です。

なお、人によっては指示された用法・用量で服用していても、なかなか効果を実感できないことがあります。体質によっては十分な効果が現れるまで数日かかったり、予防的な服用をすすめられることもあるので、医師・薬剤師の指示に従って薬の服用を続けましょう。

おわりに:タリオン®は、アレルギー症状を緩和・改善する抗ヒスタミン薬です

タリオン®には季節性・通年性のアレルギー症状として起こる鼻炎、粘膜や皮膚のかゆみ、蕁麻疹などを改善する作用があります。アレルギーの原因物質に反応して体内で放出され、アレルギー症状を引き起こす物質ヒスタミンに作用することから、抗アレルギー薬のなかでも抗ヒスタミン薬に分類されます。服用で重大な副作用が起こることはまずありません。持病や服用中の薬について医師・薬剤師に申告のうえ、用法・用量を守って服用しましょう。

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