メチコバール®︎ってどんなときに服用する薬なの?

2019/12/12

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

体の不調を和らげるためには、栄養バランスを整えることが大切。この記事で紹介する「メチコバール®︎」は、体内で不足したビタミンB12の補充をすることができます。メチコバール®︎の効果や副作用、用法用量の注意点などを理解しましょう。

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メチコバール®︎ってどんな薬?

メチコバール®︎とは体内で不足しているビタミンB12を補う薬です。

ビタミンB12は健康的な体づくりに必要な栄養素です。細胞の発育を正常に維持する、血液をつくる、神経の機能を維持するなど重要な働きをしています。そのため、ビタミンB12が不足すると、貧血、手足のしびれや痛みを伴う末梢性神経障害を引き起こします。

メチコバール®︎の有効成分メコバラミンとは

メチコバール®︎に含まれる有効成分メコバラミンはビタミンB12に分類される成分で、末梢性神経障害の治療に使用されています。メチコバール®︎は通常のビタミンB12と比較して末梢性神経障害に対して有効性が高く、安全性も高いのが特徴です。ただし薬理作用は強くないため、効果が大きいとはいえません。

メチコバール®︎は、末梢性神経障害のほか、下記の症状など神経障害の可能性が考えられる場合に処方されています。

  • 糖尿病による神経の痛み
  • 帯状疱疹の神経痛
  • 味覚障害
  • 臭覚障害
  • 眼の疾患
  • 耳鳴り、難聴
  • めまい
  • 物忘れ

メチコバール®︎の副作用は?

メチコバール®︎を服用後、副作用があらわれることはめったにありません。ごくまれに胃の不快感や吐き気を感じることがある程度です。

また、メチコバール®︎を過剰服用した場合の危険性も心配ありません。なぜならビタミンB12は水溶性ビタミンで、過剰摂取したとしてもすぐに体外に排出されるため、体に蓄積して悪影響を及ぼすおそれがないのです。

メチコバール®︎服用中に気をつけるポイントは?

メチコバール®︎の用法や用量、服用が必要になる状態について紹介します。

服用量
症状の程度によって服用量が異なりますので、医師や薬剤師の指示に従って正しい用量で使ってください。
保管方法
光と湿気を避けて暗所で保管します。メチコバール®︎は光に当たるとビタミンB12の含量が低下します。
服用が必要な人
通常の食生活でビタミンB12が欠乏することはあまり発生しません。ただし消耗性疾患や消化器官疾患の人、妊娠中の人、疲労が蓄積している人はビタミンの補給が必要になることがあります。食事の栄養バランスなどを考慮しながら、不足している場合は薬などで補給しましょう。
極端なダイエットや偏食をするとビタミンB12が不足することがあります。この場合はまずは食生活の見直しから始めてください。ビタミンB12を豊富に含む乳製品、卵の黄身、レバー、肉類、魚介類などを積極的に摂取してください。
症状が緩和しない場合
メチコバール®︎は手足のしびれや神経痛を緩和する効果が期待されますが、これはビタミンB12が不足したことによって引き起こされた不調です。そのため骨の変形や神経の圧迫、筋肉の酷使、血行不良、薬物性障害などビタミンB12不足ではないことを原因とした不調や疾患には効果があまり期待できません。症状が緩和しない場合は自己判断で服用量を増やしたりせずに、医療機関を受診して治療方法を相談しましょう。

おわりに:メチコバール®︎はビタミンB12不足による不調に処方される薬で安全性が高いです

メチコバール®︎は副作用がほとんどあらわれない安全性の高い薬です。ただし強い効果を期待できる薬ではありません。ビタミンB12不足による不調緩和に効果が期待されますが、薬だけに頼るのではなく食生活の改善も取り入れて、栄養バランスを整えるようにしましょう。

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